2026年8月19~20日、京都大学と龍谷大学の合同実習「宇宙森林実習」が開催され、京都大学3名、龍谷大学4名の学生が参加しました。
本実習は、宇宙飛行士で京都大学非常勤研究員・龍谷大学客員教授であられる土井隆雄先生が主催されています。将来的な他惑星への人類移住を見据え、現地での人工生態系構築に必要な「生態系」の仕組みについて、当研究林でのフィールドワークを通して学んでいただくことを目的としています。
1日目は、竹口専門職(技術)、荒井技術係長の案内で集水域全体を防鹿柵で囲った試験地を見学しました。シカの食害による植生衰退が、昆虫相の減少や結実不良にとどまらず、土壌流出を通じて沢の水生昆虫や魚類の個体数変化にまで波及することを学びました。また道中では、土井先生よりホオノキの材質的特徴や、人工衛星への活用事例について解説していただきました。事務所までの帰りには、芦生の大カツラを見学し、老齢な巨木が多数の植物の貴重なハビタットとなっていることを学びました。
夕方からは石原先生の講義があり、芦生における急激な気候変化や生物多様性の減少事例、シカの食害と生態系が元の状態に戻らなくなる「レジームシフト」の解説を受け、森林生態系についての理論的な理解も深めました。さらに、森林の機能の一つである炭素蓄積・吸収について、その算出方法を学び、環境省モニタリングサイト1000のコアサイトである枡上谷調査プロットの毎木データを用いた推定演習を行いました。
2日目は、枡上谷調査プロットにて毎木調査を体験しました。石原先生や技術職員から直径巻尺を用いた正確な胸高直径の測定方法の説明を受け、1日目の演習で使用した毎木データがどのように集計・蓄積されているのかを実践を通じて学びました。
参加者の多くは森林分野を専門としていませんでしたが、実習を通じて、一見すると宇宙と異分野であると思われる森林についても関連性を実感してもらえたかと思います。
「ほかの惑星に人工生態系を作る!」そんな夢のようなチャレンジに、芦生での「生態系」の学びが活用いただければ嬉しく思います。





