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フィールド 実習

北海道大学 生物学実習

9月19日から20日の2日間、北海道大学の生物学実習が行われ学生22名が参加しました。

実習では草本・きのこの観察を行いました。19日来研後すぐ林内に入り、針葉樹 (トドマツ) 人工林を中心に標本作製に適したサンプル選定や採取方法、同定作業の助けとなる採取場所の情報を確認しながらサンプル採取を日が傾くまで行いました。

林内から戻ってから顕微鏡での観察や複数の図鑑から得られた情報で同定作業を、標本を作製する際の注意点を確認しながら標本作製作業をきのこ・草本それぞれで並行して行いました。多くのサンプルを採取したため19日だけでは作業が終わらず、20日の予定を変更して同定・標本作製作業を続けました。

受講生は最初こそ目立つものを恐る恐る採取していましたが、ササ藪の隙間から小さなきのこを見つけ出したり、香りであの草本があるはずと逆算したりと堂に入った作業をするようになっていったことが印象的でした。

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フィールド 実習

酪農学園大学 水圏・地圏総合実習2024

9月9日から12日にかけて、酪農学園大学の水圏・地圏総合実習が行われ、学生20名が参加しました。
10日にアカエゾマツ林で樹幹解析用の試料採取を行ったのち、その周辺で樹木識別を実施しました。
樹幹解析は幹の決まった高さで切り取った円盤を解析するのですが、伐倒は技術職員が行い、その後の手鋸による枝払いやバッテリーチェーンソーによる玉切りと円盤作成は技術職員の指導の下、学生が行いました。

11日は毎木調査、土壌調査、クリーンラーチ植栽を実施しました。
毎木調査はポケットコンパスを使用して、方形プロットを作成するところから行いました。
クリーンラーチ植栽は、傾斜のある場所での作業となり、蒸し暑い中、へとへとになりながらがんばりました。

 

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フィールド 実習

研究林実習Ⅲ

 8月27日から9月3日にかけて農学部森林科学科3回生を対象とした研究林実習Ⅲが開催されました。実習には25人が参加し、様々なメニューを通じて北海道の森林について学びました。

到着したその日の夜から早速樹木識別実習を行い、京都では見られない樹木などをサンプルと図鑑を見比べながら識別ポイントを確認しました。翌日は白糠区で天然林の毎木調査を行い、図鑑だけでは見ることができなかった森の姿を体感しました。3日目は標茶区のアカエゾマツ人工林で間伐のための選木に向けた各種調査を行い、翌日は間伐から集材、造材、寸検までを見学・体験。6日目に行った植栽も含めて、林業の一連の流れを体験しました。また、キノコ相の観察や高山植生の観察、博物館の見学を通じて、樹木以外の地域の自然や文化についても見識を広めました。

途中、台風による大雨の影響で一部メニューを変更することもありましたが、それぞれの得意分野を生かしながらチームで協力して積極的に取り組む姿が印象的でした。

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フィールド 業務

渓流水の採取

北海道研究林では研究補助として定期的に渓流水の採取を行っています。

渓流水中に含まれる成分を測定することで窒素など生態系内の物質循環を調べたり、生物由来のDNAをもとにどんな生物がいるか知ることができます。

気候変動や植生の変化も水質に影響を及ぼしうるものですが、それを把握するには長期にわたるモニタリングが必須です。20年以上継続している調査もあり、今後の研究活用が楽しみです。

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フィールド 実習

京都大学公開森林実習Ⅱ(夏の北海道東部の人と自然の関わり)・ILASセミナー(北海道の昆虫相)2024

8月6日から10日までの5日間、北海道研究林標茶区を主会場に全国の大学生を対象とした公開森林実習Ⅱと、京都大学の1回生を対象としたILASセミナーが同時開催で実施されました。

実習には両実習合わせて18人が参加。天然林と人工林(間伐前後)といった植生による昆虫相の違いをライトトラップやピットフォールトラップを用いて調べたり、道東の自然環境として釧路湿原や川湯のアカエゾマツ林などを見学しました。
霧で見えない時も多いですが、今回は摩周湖がくっきり見えました。日ごろの行いの成果でしょうか。
昆虫採集に夢中な学生も多く、積極的に取り組む姿勢が見られました。

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フィールド

セグロカッコウ

5月の中旬頃に、標茶区構内で聴きなれない独特な鳴き声(「アカゲラの子育て」にも出ています)が構内に響き渡りました。何だろうと調べたら、セグロカッコウであることがわかりました。セグロカッコウはカッコウ科の旅鳥で、道東では確認記録がありませんが、北日本での観察記録が増えているそうです。(バードリサーチの記事(https://db3.bird-research.jp/news/202106-no2/)より)

見た目はカッコウに似ていますが、尾羽の先に太い黒色の帯があることから見分けられます。
従来の托卵相手が道東には生息していないため、ここで繁殖しているようであれば、新たな托卵相手がわかるかもと思いましたが、7月後半に姿(鳴き声)を消してしまいました。

セグロカッコウ
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フィールド

イケマの花

霧雨に濡れるイケマの花です。

ネギボウズのような放射状についた花が特徴的です。

キョウチクトウ科のツル性植物で、林道際など明るい場所でよく見られます。太い根茎からアイヌ語の「イ・ケマ(それ(=神)の足)」に由来する名称のようです。全草に毒がありアイヌ文化では根を乾燥させたものを薬や魔除けに用いました。人以外にその毒性を使っているのが旅する蝶として有名なアサギマダラです。幼虫の食草となり、毒を体内に取り入れることで外敵から身を守っていると言われています。

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フィールド

下刈は暑い

2021年植栽のクリーンラーチ(カラマツ×グイマツ雑種F1品種)の試験地で下刈をしました。

苗木が下草との競合に負けないよう草刈機で刈払います。個人的な話、下刈り鎌と呼ばれる、長い鎌を使ったことも高校の実習で一度だけあります。

繁茂する下草を除去するので作業のシーズンとしては夏の暑い時期となります。新植地で木陰がないため熱中症のリスクが高く、さらにマダニ、スズメバチに刺される、刃物での怪我といった危険性もあり、草に隠れた苗木を誤伐しないよう神経を使いながら行う(この現場は苗木が大きいので誤伐リスクは低いです)下刈は林業の中でも過酷な作業といえます。

一斉造林で植栽された木が主伐を迎える造林地が多くなる中、機械化が進んできている伐木造材作業に対し、下刈はまだ人の手による部分が多く、造林分野での担い手不足が課題となっています。機械の開発や苗木の植栽方法、地拵えの方法、初期成長の早い品種の開発など省力化に向けた試験が各所で行われていますが、現場に導入されるまではまだ時間がかかりそうです。兎にも角にも、記録的な猛暑の中、今日も下刈をした皆さま、本当にお疲れ様でした。

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イベント フィールド

初夏の花観察会 プチフラワーソン2024

6/16(日)標茶区で初夏の花観察会を開催し、13人にご参加いただきました。

2022年に標茶区で行った北海道フラワーソン(全道開花調査)と同様に調査し、研究林の林道や沢沿いで、85種(開花74種)の植物を確認しました。
午後は開花している植物を1人1種採取し、事務所へ戻り標本を作成していただきました。朝は小雨が降っていましたが、天気は回復し、昼休みには子ぎつねが2匹姿を見せてくれました。

参加者からは、「はこべ、むぐら類などたくさんの種類の判別が興味深かった」「同じような花でも、色々な種があり難しかったが楽しかった」「ハコベなど区別のつきにくい花を覚えるのは難しい」などの感想をいただきました。

観察会で発見した花(抜粋)はこちら
(ミヤマザクラは果実)

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フィールド

生まれたての子鹿

標茶区で行っている野生動物の自動撮影調査で撮れた動画です。

プルプル震える子鹿を親シカがペロペロしています。

獣害被害を思うと憎さの募るシカですが、こんな姿を見ると癒されます。

人間って勝手ですね。