小春日和の白糠区
落葉が進み明るくなった林内では、柔らかな日差しを受けてオオモミジなどの紅葉がとてもきれいでした。
基本的に黄色に色づく標茶の山と比べるとオオモミジやハウチワカエデの赤が目立ち、トドマツの濃い緑とのコントラストが景色にリズム感を生み出しています。
初雪の便りももうすぐです。
小春日和の白糠区
落葉が進み明るくなった林内では、柔らかな日差しを受けてオオモミジなどの紅葉がとてもきれいでした。
基本的に黄色に色づく標茶の山と比べるとオオモミジやハウチワカエデの赤が目立ち、トドマツの濃い緑とのコントラストが景色にリズム感を生み出しています。
初雪の便りももうすぐです。
8月26日から9月2日の8日間、京都大学の研究林実習Ⅲが行われました。
農学部から18名の学生が参加しました。
天然林毎木調査、土壌調査、植栽、樹木識別、人工林調査、選木、チェーンソー体験、西別岳登山といった活動を行いました。
北海道研究林では市民の皆様を対象に、白糠区で自然観察会を実施します。
普段は研究教育に活用している研究林を少人数で散策しながら、スタッフの解説で動植物の営みについて学びます。秋の森を満喫しましょう。
なお新型コロナ感染症の状況によっては、中止・変更する場合がございます。
当日はイベント保険に加入しますが、保険の範囲を超える補償はできない場合があります。
参加される際は、マスクの着用等感染拡大の防止にご理解、ご協力をお願いします。個人情報は当イベント運営のみに使用します。
4月20日・21日に、菌類に関する研究補助で土壌の採取を行いました。
20日は標茶、21日は白糠にて採取しました。
研究者の指示に従い、上部の土壌から匙の長さの半分ほどの深さの土壌まで、匙を使って容器に入れました。落葉などのリター層もある程度含めて採取しました。容器に入れる際は押し込むようにしっかりと入れました。
今は融雪期にあたり、場所によってはまだ土壌凍結しています。山の植生や地形等を熟知していないと、研究に適した場所を提案することも難しいシーズンです。
案の定日当たりの悪いところではまだ雪が残っていました。
雪の下の土壌は未だに凍っておりカチカチでした。
雪の近くの土壌も採取したいとのことで、凍結した土壌を頑張って砕き、土壌を採取しました。
今回採取したサンプルを持ち帰り、解析を行うそうです。
良い結果が出るといいなと思います。
北海道研究林白糠区で採取されたキクラゲが日本国内で初めて記録された種として報告されました。
このキクラゲは2020年9月に天然林での調査中にトドマツの落枝についていたものと、2021年4月にトドマツ造林地の除伐中に、枯死した個体の幹についていたものを技術職員が採取したもので、栃木県内のウラジロモミに発生していたものとともに、三重大学の白水貴博士らによって分子系統解析と形態比較が行われA. americana s. str.と同定されました。
これまで国内において正式なA. americana s. str.の報告がないため,本種の日本初報告となりました。
北海道から多くの標本が得られたことから、A. americana s. str.の和名としてキタキクラゲと提唱されました。
白水博士によると、市場に広く流通しているキクラゲ属菌の栽培では、培地の主原料として広葉樹材が用いられており、針葉樹材の利用は不適とされています。
一方、A. americana s. str.の子実体はモミ属やマツ属などマツ科の針葉樹材上に発生することから、針葉樹材を用いたキクラゲ属菌栽培手法の確立において有望な系統となることが期待されています。
白水貴,大前宗之,新井文彦,稲葉重樹,服部友香子(2021)日本新産種Auricularia americana s. str. (キクラゲ目).日本菌学会会報62.125–130
白糠での天然林の調査中に木に空いた小さな穴(樹洞)を発見。「モモンガとかいるかも」と思いつつ調査をしていると中からモモンガが飛び出してきました。
エゾモモンガはキツツキが空けるなどしてできた樹洞を利用しており、樹洞のあるような古い木が存在することで生息することができます。中が腐ったような木は林業的には欠点となりますが、多様な生物が生息する環境を提供しています。
夜行性のエゾモモンガ氏。睡眠中に叩き起こした形となり、思いっきり警戒されましたがシャッターチャンスをサービスしてくれました。
つぶらな瞳がたまりません。
トドマツ造林地の林床に白い物体。タマゴのような姿がとてもよく目立ちます。
正体はキノコの幼菌。成長すると白い外被膜が割れて、中から傘が現れ成長し、胞子を飛ばします。涼しくなってきて、秋のキノコがたくさん発生していました。
種類はテングタケやタマゴタケの仲間なのは間違いないのですが。いまのところミヤマタマゴタケが有力です。もし違っていたらお知らせください。近くには傘の赤いタマゴタケも発生していました。
テングタケの仲間は猛毒のものも多く、ザ・キノコな見た目につられて採取してうっかり食べないようにしましょう。
7月31日に白糠区で京大ウィークス2021事業として、自然観察会「夏の森の生態系」を開催しました。当日は9名が参加し天然林をスタッフの解説のもとに散策しました。
観察コースは針広混交林に設定しているので、様々な樹木や植物を観察できました。開花している植物は少なかったのですが、ミミコウモリ、エゾスズランなどの夏の花が見られました。道中には自動撮影カメラ、マレーゼトラップ、リタートラップといった調査機材も設置しており、研究の一端を紹介しました。
猛暑続きの北海道。当日も強い日差しが降り注ぎました。他にも大量発生しているアブ、クマの出没情報、感染症対策と懸念材料はたくさんありましたが、参加者からは「どのように調査を行っているかを知ることができ面白かった」「質問に丁寧に答えて頂きよかった」などといった声が寄せられました。森林散策のあとに行った焼印体験も好評でした。
また例年秋に白糠区で開催しているので、秋とは異なった盛夏の森林の姿を見ることができました。
秋には京大ウィークス2021事業第2弾として標茶区で観察会を実施する予定です。次回も応募者多数の場合は抽選となりますが、是非ともご応募・ご参加していただければと思います。
雪が解け、春が来ました。
軽やかなせせらぎの音に誘われるようにフクジュソウも咲き、茶色っぽかった風景に彩りが増えてきました。
水たまりではエゾアカガエルの大合唱です。