5月28日に京都府立林業大学校の実習が行われ、12名の学生が参加しました。「森林科学Ⅰ」という科目の一環で行われた実習です。京都府立林業大学校は、2012年に設立された西日本初の林業大学校です。詳細につきましては京都府HPよりご確認下さい。
当日は資料館で簡単に芦生研究林の解説を行った後に、杉尾峠から長治谷までの上谷エリアを歩きつつ技術職員の宮城(京林大卒業生)が解説を行い、その後 大カツラの見学を行いました。
事前に石原林長が京林大で気候と植物の分布・遷移・森林生態系と生物多様性等について講義を行っており、座学での学びを実際に山に入り観察することで、より学習を深化させる狙いがあります。
杉尾峠までの道中では暖温帯から冷温帯への植生の変化や林道の整備と地質の関係、森林や生態系保全に関する世界や日本、そして企業の動き(30by30、J-クレジット、TNFDなど)ついての解説を行いました。
上谷エリアでは芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキ、渓畔林、獣害の影響、人と森の関わり、窒素循環などについて解説をしました。今年度の学生も真面目に解説を聞いていました。休憩中には技術職員の仕事のことについて質問があり、幅広く業務を行っていることを伝えました。
上谷歩道での見学後に大カツラに移動し、見学と記念撮影を行いました。今年度は東邦大学の実習と重なったので、松岡先生に大カツラでの解説をしていただきました。
下山後には再度資料館の見学を行いました。資料館には色々な展示物がありますが、標本については特に気になったようで、熱心に見ている姿が印象的でした。
京林大の実習では人工林の見学が非常に多く、芦生の山のような原生的な森に入ることは少ないです。芦生の原生的な自然やそこでの保全・教育・研究活動を学んでいただき、卒業後には生態系の在り方などについても考えられる、広い視野を持った森林・林業技術者になって活躍されることを期待します。

