6月12日に京都府立林業大学校の実習が行われ、10名の学生が参加しました。「森林科学Ⅰ」という科目の一環で行われた実習です。京都府立林業大学校は、2012年に設立された西日本初の林業大学校です。詳細につきましては京都府HPよりご確認下さい。
当日は資料館で簡単に芦生研究林の解説を行った後に、杉尾峠から長治谷までの上谷エリアを歩きつつ技術職員の宮城(京林大卒業生)が主に解説を行い、同職員の太田が安全管理を行いました。上谷での見学を終えたあと、大カツラで解説と見学を行いました。
事前に当研究林の石原准教授が、京林大で気候と植物の分布・遷移・森林生態系と生物多様性等について講義を行っており、座学での学びを実際に山に入り観察することで、より学習を深化させる狙いがあります。
杉尾峠までの道中では、研究林概要、シカ害、暖温帯から冷温帯への植生の変化(暖かさ指数)や林道の整備と地質の関係などについての解説を行いました。
上谷エリアでは芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキ、渓畔林、獣害の影響、人と森の関わり、窒素循環などについて解説しました。適地適木の例として「尾根マツ、谷スギ、中ヒノキ」と言われますが、芦生では天然スギが尾根に自生しており、自然から適地を学ぶことの重要性を伝えました。
上谷の見学後に大カツラに移動し、解説・見学と記念撮影を行いました。カツラの巨木を見た学生から歓声の声があがりました。カツラの巨木を目にして畏敬の念や、「すごい」と感動できる感性は非常に大切だと思います。しかし、これから職業人として森林・林業の担い手となる学生たちには、もう一歩進んだ視点も求められます。そこで今回の解説では、生態系における巨木の重要性に焦点を当て、この大カツラが芦生研究林において、どのような生態的役割を果たしているのかについても解説しました。
京林大の実習では人工林の見学が非常に多く、芦生の山のような原生的な森に入ることは少ないです。今回の実習では芦生の原生的な自然やそこでの保全・教育・研究活動を学んでいただけました。生物多様性の維持や生態系保全の重要性がより高まっている今、卒業後には自然環境の将来的な在り方にまで広く思いを馳せられる、豊かな視野を持った森林・林業技術者として活躍されることを心より期待しております。




