10月21日(火)に「芦生保全植物園」開園式典を開催いたしました。京都大学フィールド科学教育センター芦生研究林は、関係機関と連携し、希少植物の保全に取り組んでいます。この度、植物の保全および教育での活用を目的に、芦生研究林構内に「芦生保全植物園」を開園しました。この植物園は「域外保全エリア」と「植物観察エリア」の2つからなります。
式典は、福本繁 様(芦生生物相保全プロジェクト 市民科学者)、阪口翔太 様(京都大学人間・環境学研究科 助教、現:京都大学農学研究科教授)、野崎香樹 様(武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園 園長)にご来賓いただき、地域を代表して今井崇 様 他6名(南他八ヶ字財産区管理会)、京都府府立植物園 様、芦生もりびと協会様、京都大学フィールド科学教育センター上賀茂試験地や関係協力者様など、合計41名様のご参列をいただきました。
式典は、石原林長による6年におよぶ植物園整備の取組の振り返りと、来賓の皆様方からのご挨拶を頂戴した後、域外保全エリアの見学を行いました。ここでは、本エリアを主導していただいた阪口翔太様より、タイミンガサ、ゼンテイカ、タヌキラン、ヒメシャガ、クルマバハグマという域外保全対象種の林内における危機的状況や現在の保全状況、保全や育成にかかる工夫や苦労、QRコードを用いたDNAデータ管理などをご説明いただきました。
その後、観察エリアに移動し概略と整備の経緯、今後の連携などについて、石原林長が解説しました。その後、今井崇様と石原林長による「ヒメモチ」2株の記念植樹が来席者の見守るなか執り行われました。このヒメモチは、研究林内で採取されたのち、武田薬品工業株式会社京都薬用植物園で栽培され、今回芦生に里帰りした株です。最後に来席者の記念サインが施された種名板をエリア内に点在する該当植物を探しながら全員で設置し、参加者の笑顔とともに式典は終了しました。
芦生研究林の保全は進んでいますが、残念ながら、対象とすべき種は増える一方です。シカの食害だけではなく、地球温暖化などの影響も危惧されます。芦生研究林基金へのご寄付を通じ、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
芦生の植物の保全の取り組みは、科学的成果と多様な主体との協働によって実現しています。こうした協働による取り組みが、生物多様性保全を進めるための好例となればと考えています。日本各地で起こっている生物多様性の喪失に対して一助となれるよう、教育研究機関として引き続き頑張ってまいります。



