ポケゼミ報告2012「魚類心理学入門」

沿岸資源管理学分野 准教授 益田 玲爾


 本ポケゼミは4月から6月にかけての京都での6回の講義と,6月下旬に舞鶴水産実験所で行った2泊3日の実習からなる.募集人数10名のところ,重複履修によるキャンセルが出たため,9名の受講者となった.

 講義のタイトルは以下の通り.
  第1回 研究の道具としてのスキューバ潜水
  第2回 群れ行動の発達心理学
  第3回 魚類心理学を栽培漁業に活かす
  第4回 魚の行動から海の資源の未来を読む
  第5回 回遊魚の行動学
  第6回 研究というゲームの楽しみ方

 講師自身の研究成果を中心に1時間ほどの講義を行い,その後フリーディスカッション,さらに簡単なレポートを書いてもらい,このレポートをもとに次回の講義を組み立てるという構成をとった.最終回には「プレゼンテーションの奥義」というコーナーも設け,口頭発表の技術を伝授した.
 実習では,6月22日金曜日の夜に学生らが舞鶴に到着し,ガイダンスを行った.本年度の実習では,エコロジーカフェの「学びツアー」からの参加者を受け入れたため,高校生3名,エコカフェスタッフ2名も加えての実習となった.23日土曜日には,朝食のあと,舞鶴市三浜海水浴場へ移動し,ネットによる稚魚の採集やシュノーケリングによる生物の観察を行った.なお,三浜では漁協の運営する海浜施設「ととのいえ」のシャワーと更衣室を利用した.帰りにスーパーの鮮魚コーナーを見学し,食材としての魚について理解を深めた.翌日曜日には,西舞鶴の京都府漁連を訪れたものの臨時休業であったため,市内の大規模鮮魚小売店を訪れて市場調査を行った.
 講義で魚料理について熱く語っていた手前,実習中の料理は魚をメインに皆で自炊した.「学びツアー」に参加した京都府立海洋高校生,エコカフェスタッフ,実験所の学生と研究員,さらには研究のため実験所に滞在していた他大学の大学院生らとも,調理と食事を通して会話が弾み,互いに良い刺激になったと思う.