リレー講義報告2016「森里海連環学I:森・里・海と人のつながり」

里海生態保全学分野 教授 山下 洋


 2016年度より全学共通科目の構成と内容が大幅に変更になった。今年度もリレー講義形式をとったが,講師はフィールド研所属の4人が複数の講義を分担する形式とした。また,フィールド科学教育研究センターが全学共通科目に提供する全科目が,統合科学科目群森里海連環学分野にまとめられた。
 4月8日から7月29日まで14回(7月29日はフィードバック),吉田南総合館共北28号室(金曜日4限目14:45~16:15)にて開講した。対象は,文系,理系を問わず1回生から4回生までとした。成績は出席および各回の講義の最後に実施する小テストの成績を総合して評価した。
 2015年度までは例年60~90人程度の受講生があったが,今年度は28人に激減した。原因として,全学共通科目の構成が大幅に変更になったことが考えられるが,具体的な問題点は不明である。受講生の内訳は理系学部12人,文系学部16人であった。2015年度は理系学部41人,文系学部18人であったことから,今年度は特に理系学部からの受講生が顕著に減少した。学年の分布を見ると,1回生が54%を占め例年とほぼ同程度であった。勉強しようという意欲の旺盛な時期に,この講義をきっかけとして環境や生態系の保全に興味を持ち,森から海までの複合した生態系と生態系サービスについて,自然科学と社会科学の両面から広い視野で学んで頂きたい。

実施した講義の構成
1. (4/8) 森里海連環学の概要 (山下 洋)
2. (4/15) 日本の森林の特徴と現状 (德地 直子)
3. (4/22) 環境の価値と生態系サービス (吉岡 崇仁)
4. (5/6) 森林生態系の生態系サービスとこれからの森林 (德地 直子)
5. (5/13) 河川生態系 (山下 洋)
6. (5/20) 里海と沿岸域生態系 (山下 洋)
7. (5/27) 森林から川を通じた海への物質移動 (德地 直子)
8. (6/3) 人間自然相互作用 (吉岡 崇仁)
9. (6/10) 森林に関する社会調査事例 (吉岡 崇仁)
10. (6/17) 「森は海の恋人」と森里海連環学-畠山重篤氏を迎えて- (山下 洋)
11. (6/24) 海の生態系サービス (山下 洋)
12. (7/1) 日本の里域生態系と農業・農村 (清水 夏樹)
13. (7/8) 森里海の資源と産業振興 (清水 夏樹)
14. (7/15) 森里海の資源と暮らしの維持 (清水 夏樹)
15. (7/29) フィードバック