京大ウィークス2017で5施設がイベント開催

社会連携委員会委員長 海洋生物環境学分野 准教授 市川 光太郎


 京都大学には,北海道から九州まで全国に数多くの教育研究施設があり,それぞれの地域で「京都大学の窓」として親しまれています。京大ウィークスは,これらの施設における公開講座・施設公開等を一定期間に集中して実施するという,2011年からはじまった企画で,フィールド研でも多数のイベントを精力的に開催しています。
 2017年度は,10月7日~11月11日の期間中に開催された26イベントのうち,5つがフィールド研の施設で開催され,延べ141人に参加していただきました。芦生研究林(京都府南丹市)では10月21日に,教員によるガイドツアー(原生林体験:上谷,森林軌道散策),川魚調査体験,ミニ講義,資料館開放を,また,徳山試験地(山口県周南市)では10月14日に,周南市との連携公開講座として,原皮師(もとかわし)による檜皮(ひわだ)採取作業見学と教員による水質分析実習を実施しました。北海道研究林白糠区(白糠町)では10月21日,上賀茂試験地(京都市北区)では11月3日に,それぞれの教育研究や植生の特徴を活かして,林内を歩きながら教職員が開設する自然観察会を開催しました。京都大学白浜水族館を併設する瀬戸臨海実験所(和歌山県白浜町)では10月28日に施設見学会を開催し,観測船「ヤンチナ」でレーダーや魚探などの観測機器などを作動させ,採集の雰囲気を体験するとともに,坂田の鼻から,各種の観察研究を続ける畠島の解説を行いました。それぞれ,天候の悪いところもありましたが,普段立ち入ることのできない森林や施設の中で,自然環境や動植物,最新の研究成果などについて,教職員がわかりやすく解説しました。なお,10月29日に和歌山研究林(有田川町)で予定していたミニ公開講座は台風22号の接近に伴い、中止しました。
 イベントは好評で,「日頃見る機会のないものを見られた」「解説がとても面白く,あっという間でした」「とてもよかった。勉強になりました」「大学の活動に興味がわいた」「京都大学の施設がこの場所にあることの意味が理解できた」など多くの感想が寄せられました。

年報15号