森林情報学分野 横部 智浩
里山の典型的な景観であるコナラやクヌギなどが優占する広葉樹林では、近年人の関わりが減少して多くが放置されているのが現状です。一方で、放置された里山の広葉樹林を管理・利用していこうという動きも出てきていますが、景観の変化は分かっても「管理・利用が里山環境に及ぼす影響」までは十分に把握できていません。そこで京都大学フィールド科学教育研究センターは、全国の里山の現状を調べる取り組みの一環として、里山の植生の遷移と密接に関係する土壌に注目した『里山の土壌を知る〜市民参加型の全国里山土壌調査〜』プロジェクトを立ち上げました。2024年7月から9月にかけて応募チラシやウェブサイトなどを使って参加団体を全国から募集し、北海道から九州までの調査地33カ所で、里山に関わる団体の皆様にご参加いただき、現在も調査を継続しています。
本プロジェクトはシチズンサイエンスとして、実際に里山に関わっている方々のご協力を得て調査を行っています。里山環境の一般的な理解を深めることに加え、調査にご参加の皆様がご自身の関わる里山の状態を知ることも、今後の里山の在り方を考えるうえで重要です。このため、参加団体へ中間結果の報告会を実施し、それぞれの団体へ結果のフィードバックを行ってきました。全国調査の分析はまだ途中ですが、最終的には論文として発表するとともに、参加団体の皆様への報告会も行い、里山土壌への理解がさらに深まるように進めていく予定です。
(参考)プロジェクトの ウェブサイト
ニュースレター70号 2026年11月
