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学生実習

龍谷大学「化学生態学研究室森林エクスカーション」実習報告

7月25日・26日に龍谷大学農学部化学生態学研究室の森林エクスカーションが行われ、学生14名が参加しました。

1日目は、松岡俊将講師から芦生研究林の概要説明を受けた後、研究室メンバー間での研究発表会が行われました。

2日目は、林内を散策しながら、冷温帯林の特徴や代表的な樹木、かつて芦生の森に暮らしていた木地師についての説明を受けました。また、大規模防鹿柵やクマ剥ぎの見学を通じて、野生動物による森林への影響と、人との関わりについて学びました。昼食後、大カツラに立ち寄り、畦畔林の見学を行いました。

普段は都市部で生活している学生にとって、芦生の自然に触れることは非常に新鮮だった様で、奥山の特徴や、シカの過採食と防鹿柵による植生保全活動など、熱心に学んでいました。また、川の中にいるアカハライモリやサワガニを見つけて歓喜する姿も見られ、貴重な経験を得ることができたのではないかと感じました。

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イベント

「菌類ワークショップ2025」開催報告

7月19-21日に菌類ワークショップ2025を開催しました。本ワークショップは、菌類多様性研究の促進と若手研究者の育成・交流を目的に、教育関係共同利用拠点「人と自然のつながりを学び創る森林フィールド」事業の一環として開催するものです。2023年度の初回から数えて、今回で3回目の開催となります。今年は、若手研究者の講師3名と全国の大学・大学院生10名の参加者が集まりました。

 講師として、坂田歩美 (千葉県立中央博物館)、橋本陽 (理研BRC)、升本宙 (信州大学) を迎え、地衣類・微小菌類・きのこといった幅広いグループの菌類について、観察のポイントや最新の研究トピックについてご紹介いただきました。

 日中のフィールドワークでは、講師から探索や観察のポイントを教わりつつ、各自が研究対象の菌類を採取しました。フィールドで見られた子実体について、肉眼で確認可能な形質だけではなく、UVランプを用いた蛍光観察や、味の専門的な確認方法など、多角的な同定方法の解説がありました。フィールドから戻った後は、標本の顕微鏡観察と講師の講義、参加者の研究紹介を行いました。参加者の研究紹介では、菌類を軸とした多岐にわたる内容の発表に対して講師や他の参加者から多様な視点のコメントが挙げられ活発な議論が交わされました。参加者にとって、研究の展開や新たな研究の方向性を考えるきっかけになったのではないかと思います。また、講師からは採集された珍しい菌類や未記載と思われる菌類などが紹介されました。

今回のワークショップでは、これまで2回と比べ幅広い研究分野の参加者が集まりました。これから菌類を扱いたい、という参加者も見られ、参加者間での情報交換が活発に行われておりました。また、初めての夏の開催となった今回は、過去のワークショップでは見られなかった冬虫夏草などの菌類も確認され、芦生研究林の菌類多様性を改めて実感する機会になりました。今回採取された標本にも、未記載と考えられる種や芦生新産種が含まれます。今後の解析によって、芦生研究林の菌類相の解明が進むことが期待されます。

 フィールド研の研究林・試験地を利用したワークショップは、対象生物やテーマを検討しながら今後も継続的に開催する予定です。2026年度の菌類ワークショップの開催に関しては、フィールド研や芦生研究林のホームページやSNSで情報発信します。

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学生実習

京都大学「ユネスコチェアフィールドワーク:水と森と社会」実習報告

2025年7月11-12日の日程で京都大学のユネスコチェアフィールドワーク:水と森の社会が行われ、14名の学生が参加しました。今回はインド、ミャンマー、中国、台湾、インドネシア、フランス、日本と多様なバックグラウンドを持つ学生の参加がありました。

1日目は、京北にある北桑木材センターと美山かやぶきの里を見学して、木材や茅を活用した日本の文化や生活について学びました。実習担当教員の通訳を交えながら解説者と積極的な意見交換を行っていたのが印象的でした。

2日目は、上谷にある大規模防鹿柵と木地師の墓所(伝)・屋敷跡、中山神社、大カツラを見学しました。学生たちは芦生研究林の自然や、昔の木地師の暮らしについて学びながら、森と人とのつながりを体感しているようでした。

参加した学生達は普段は研究室で活動することが多いとのことで、実際に体験することで刺激をたくさん受けたという感想が印象的でした。この実習の経験が将来の研究活動の糧になることを期待します。

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イベント お知らせ

(終了しました/Completed.)公開講演会「けもの、植物そして私たち 芦生の森から考える自然との共生」

 令和7(2025)年8月30日に公開講演会「けもの、植物そして私たち 芦生の森から考える自然との共生」を歴彩館にて開催致します。

◆開催趣旨:芦生の森は「植物ヲ學ブモノハ一度ハ京大ノ芦生演習林ヲ見ルベシ」と称されるほど豊かな植物相が残る貴重な森です。しかし1990年代後半より増えたシカによる植物の過採食(いわゆる食害)がみられるようになりました。今年は、2006年に芦生生物相保全プロジェクト(ABCプロジェクト)により芦生研究林に大規模な植生保護柵がつくられ20年目、京都丹波高原国定公園が設立されて10年目となる節目の年です。これまでの植生保護、希少種保全、野生動物管理について振り返り、今後の保全について議論します。
 
 本講演会では、まず、長年にわたりシカの個体数調査や植生保護柵の開発を通じて、生物相の保全に尽力されてきた高柳敦氏(元・京都大学農学研究科准教授)に、芦生の森での取り組みや野生動物管理にかける思いをご講演いただきます。次に、芦生の森における動物と植物の「奇妙な三角関係」を明らかにされてきた福本繁氏(市民研究者)に、そのユニークな視点からご講演いただきます。最後に、野生動物相とその行動を研究している若手研究者の太田果南氏(京都大学農学研究科博士課程)に最新の研究成果をご紹介いただきます。

 これらの講演を通じて浮かび上がるのは、私達と自然との関わり方です。どのように自然を守り、私たちはどのように関わっていくべきかについて理解を深め、京都府の生物多様性保全への機運が高まることを期待しています。

◆主催:京都府(自然環境保全課・京都府立植物園)
    芦生生物相保全プロジェクト 
    京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林

◆後援:きょうと生物多様性センター運営協議会、公益財団法人自然保護助成基金、一般財団法人タキイ財団

◆会場:京都府立京都学・歴彩館 大ホール
    〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町1番地29
    有料駐車場はありますが、数に限りがありますので、公共交通機関でご来場ください。

◆定員:400名(申込先着順)当日空席がある場合、事前申込なしでもご参加いただけます。

◆日時:令和7年8月30日(土)13:00-16:00

◆参加費:無料

◆申込方法:本講演会につきましては、事前参加申し込み制とさせて頂いております。参加を希望される方は、以下のフォームに情報をご入力・送信して頂きますようお願いします。お連れ様がおられる場合も、1名ずつフォームにご入力ください。申し込み期限は8月27日17時まで

お申し込みはコチラ https://forms.gle/GKhQDAShSrkzAK8h8 

※申し込みフォームをご送信頂いたあと、ご登録のメールアドレスへ確認用の自動応答メールが届きます。もしフォーム送信後、30分が経過してもメールが届かない場合は、迷惑メールフォルダにメールが振り分けられている可能性がありますのでご確認ください。

◆講演情報

司会:阪口翔太(京都大学人間・環境学研究科)
13:00 開会   阪口翔太(京都大学人間・環境学研究科助教)
13:05 挨拶 戸部博(京都府立植物園園長)
13:15 野生動物保護管理のあり方と狩猟動物との共存 高柳敦(元京都大学農学研究科准教授)
14:20 タヌキのため糞は森の救世主になり得るか?    福本繁(市民科学者)
15:00 芦生の動物たちはどのように人間活動の影響を受けてきたか?    太田果南(京都大学博士課程)
15:30 これからの生態系・生物多様性保全    石原正恵(京都大学芦生研究林林長)
15:40 全体質疑応答
15:55 閉会挨拶  杉本圭哉(京都府自然環境保全課課長)
16:00 終了

◆問い合わせ先:京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林(0771-77-0321)