2025年9月22日から24日の日程で、京都大学のILASセミナー「芦生研究林の菌類多様性に触れよう」が開催され、農学部、理学部、工学部、文学部の1回生が計5名参加しました。
菌類は、きのこやかび・酵母として知られる生物グループです。そして、菌類は、我々ヒトを含む、他の生物と密接にかかわりながら生活をしていて、自然界において他の生物には見られないユニークなはたらき(機能)を持つ生物です。この実習では、芦生研究林において、きのこ相調査を通じて、菌類の生き方、森でのはたらき、そして多様性や生態の研究方法について学ぶことを目的としています。
1日目の研究林到着後は、早速林内に入り、ブナ科広葉樹が優占する天然林を歩きながらきのこを採集、観察しました。数日前から一気に気温が下がったことがきのこの発生を刺激したのか、たくさんのきのこを発見することができました。下山後、採集したきのこの同定を行い、きのこの本体である菌糸の生き方についての講義を受けました。
2日目は、天然林に加えて、スギの人工林内でもきのこの採集と観察を行いました。2日間の調査を通じて、森の姿と菌類の多様性の関係について実際に現場を歩きながら学びました。下山後には採集したきのこの同定を行い、前日の成果とあわせて植生ときのこの多様性について成果をまとめました。夜には調査の成果を、同時期に北海道研究林で開催されているILASセミナー「北海道のきのこの多様性と生き方」との合同発表会(オンライン)で発表しました。
3日目は講義と菌類の多様性についてのレポート作成、実習のまとめと意見交換を行い、終了しました。
この実習で学生たちは、たくさんの種類のきのこを野外で観察し、色や形やにおい、さらにきのこと森との関係など、きのこの生態や観察方法を実際に体験しながら学びました。生態系における菌類のはたらきや生育環境について知ることで、我々の暮らしと菌類の繋がりを学ぶことができたと思います。




