Mizuki Inoue, Sakaguchi Shota, Fukushima Keitaro, Sakai Masaru, Takayanagi Atsushi, Fujiki Daisuke, Yamasaki Michimasa. Among-year variation in deer population density index estimated from road count surveys. Journal of Forest Research 18:491-497, 2013年
びっくりしたのがシーボルトミミズ(P. sieboldii)の発見である。本種は長崎出島のオランダ商館つきの医師として滞在したシーボルト(Philipp Franz von Siebold)がオランダに持ち帰った標本で新種記載されたもので、日本のミミズで初めて学名をつけられたものである。四国でカンタロウ、紀伊半島カブラタ、カブラッチョ、九州でヤマミミズなどと呼ばれているように、ウナギ釣り、モズクガニ捕りの餌に使うなど、その存在は知られているものだ。暖地性とはいえ、伊豆半島・房総半島にも屋久島以南の南西諸島にも確認されていない。体長30cm、重さ45gにもなる大きなもので、それも金属光沢をした瑠璃色のよく目立つミミズである。
タイトル:Comparing local- and regional-scale estimations of the diversity of stream fish using eDNA metabarcoding and conventional observation methods 著者:中川 光1・山本 哲史2・佐藤 行人3・佐土 哲也4・源 利文5・宮 正樹6 1京都大学フィールド科学教育研究センター 2京都大学大学院理学研究科 3琉球大学大学院医学研究科 4千葉県立中央博物館 5神戸大学大学院人間発達環境学研究科 掲載誌:Freshwater Biology
芦生研究林内における由良川の川原に自生しているセリ科植物のシャクは、ポドフィロトキシン生合成経路を有していることから、私たちはこれまでシャクを用いて同生合成経路解明に向け研究に取り組んできました(Sakakibara et al., 2003; Ragamustari et al., 2013, 2014)。近年、一度に膨大な遺伝子情報を得ることが可能な次世代シーケンサーという分析機器を使用し、様々なシャクのサンプルから遺伝子情報を取得しました。そして、これら遺伝子情報とポドフィロトキシン生合成に関連するその他のデータとの相関解析を行うことによって、数十万という遺伝子群からポドフィロトキシン生合成遺伝子を絞り込み、標的とする遺伝子を同定することに成功しました(Kumatani et al., 2016, 2017)。しかし、未だに同生合成経路には見出せていない遺伝子も存在することから、現在それら遺伝子の取得を試みています。
掲載論文及び学会発表 Sakakibara et al. (2003) Org. Biomol. Chem. 1: 2474-2485 Ragamustari et al. (2013) Plant Biotechnol. 30: 375-384 Ragamustari et al. (2014) Plant Biotechnol. 31: 257-267 熊谷ら(2016)第34回日本植物細胞分子生物学会(上田大会) 熊谷ら(2017)第67回日本木材学会(福岡大会)
モンドリ谷では2004年に初めてナラ枯れの被害が確認され(図1)、304本生育していたミズナラは2013年末には185本にまで減少しました。100種類準備した分散カーネルのうち、被害発生を予測する際に最も説明力が高かったのは、直近には飛ばず300mくらい離れたところにピークがあるようなパターン(図2)でした。この分散カーネルに基づいてモンドリ谷全域でどの場所にどれくらいの確率でカシノナガキクイムシが飛んでくるか(移動分散確率)を計算させたところ、高い移動分散確率が推定されたエリアで多くの被害木が発生していました(図3; Yamasaki et al. in press)。
Yamasaki M, Kaneko T, Takayanagi A, Ando M (in press) Analysis of oak tree mortality to predict ambrosia beetle Platypus quercivorus movement. Forest Science doi: 10.5849/forsci.15-121