瀬戸臨海実験所附属水族館「冬休み解説ツアー」

瀬戸臨海実験所 加藤哲哉


 瀬戸臨海実験所は、実験水槽室を1930年より水族館(通称:京都大学白浜水族館)として一般公開している。この水族館は学内外の研究者や学生実習で利用されているが、一方で年間約6万1千人の一般入館者を迎える、京都大学から一般に最も大きく開かれた窓のひとつと言える。この入館者に対し、水族館と海洋生物についてより楽しく詳しく学べる場をつくり、多くの人に来館してもらいたい、との考えから、2004年度より当館では小・中学校の長期休業期間に、実験所教員と飼育展示担当の技術職員の8名が交替で展示生物や飼育設備を解説するイベント、解説ツアーを開催している。
 2007年度の冬休みには、一般に馴染みの少ないサンゴ、カニ、タコ、ウニなど無脊椎動物の特徴・生態などを解説する無脊椎動物解説ツアーと、水槽の裏側に入り濾過槽や循環ポンプなど飼育設備を見学する水族館の裏側ツアーを開催した。また、期間中は小中学生の入館料を無料とし、広報活動としてポスターを周辺市町の学校、町商工会、マスコミに配布している。テレビ・新聞等の取材を受けることもある。
 解説ツアーも当初は参加者数が少ないこともあったが、今回は16日間で延べ289人の参加があり、一般に定着してきたことがうかがえる。なお、次回春休み(3/25~4/7)には無脊椎解説ツアーに替え新たな取り組みとして、その日の担当者により内容が異なる日替わり解説ツアーを予定している。

ニュースレター13号 2008年3月 教育ノート