ポケゼミ報告2009「海産無脊椎動物-分類群と形の多様性」

海洋生物進化形態学分野 宮﨑 勝己 講師


 海の動物について,より広い視点から学べるように,昨年度までの「節足動物学入門」から「海産無脊椎動物-分類群と形の多様性」に題名と内容を改めた。登録は定員一杯の6名であったが,実際受講したのは農学部3 名,理学部1 名,薬学部1名の計5名であった。
 フィールド研会議室における二回の講義と,瀬戸臨海実験所における実習を組み合わせる形は以前と同じであるが,その内容は当然大きく変えて行った。第一回目の講義では,オリエンテーションとして,概要説明,自己紹介,今後の日程調整を行った。また,ある動物学の英語の教科書から海洋環境と海産動物の多様性に関する部分を抜き出したものを配布し,その和訳を宿題として課した。二回目の講義では,動物の多様性についての概説的な講義と,宿題の回収を行った。
 実習は9月12日~16日の四泊五日の日程で,瀬戸臨海実験所にて行った。初日のオリエンテーションと所内見学の後,中三日間で,磯採集,海岸の砂及び打ち上げ物からの洗い出し採集を行い,得られた海産無脊椎動物の観察と同定を行った。また光学顕微鏡の使い方に関する講習と,走査型電子顕微鏡の試料作成及び観察の講習を並行して行った。実習レポート課題として,①採集動物の分類群別リストの作成,②異なる門に属する2種の海産無脊椎動物について様々な手法を駆使した種レベルまでの確実な同定,の二題を課した。
 最終的な成績は,英文和訳の宿題及び実習レポートの内容と,全体的な受講態度とを総合して,判定した。
 今年度は防災研の実習と日程が重なったが,受講生と先方の学生及び先生方との間で,様々な形で有意義な交流が図られた