京都大学名誉教授・第7代センター長 朝倉 彰
畠山重篤様のご逝去に衷心より哀悼の意を表します。畠山氏はわがフィールド科学教育研究センターの社会連携教授を務めていただきました。近くは2023年にフィールド研20周年記念式典で基調講演「森は海の恋人 人の心に木を植える」をお願いし、壇上でいつものように熱弁をふるわれました。控室でも湊総長と活発な議論をされておられ、いつにも増してお元気でした。
畠山氏は常に精力的に全国、そして世界を駆け巡って講演会などの多忙な日々を送っておられ、京都大学でも、主としてフィールド研が主催するシンポジウムや式典でご講演いただきました。
畠山氏の唱える「森は海の恋人」は、フィールド研の「森里海連環学」の理念の誕生にも大きな影響を与え、象徴となりました。著作家としても有名で、著名な賞を多数受賞され、その思想を日本中に広めておられました。また一連の環境問題に対する取り組みにより国連のフォレストヒーローを受賞、KYOTO地球環境の殿堂入り、みどりの文化賞を受賞され、世界的な名声を得ており、畠山氏の「森は海の恋人」運動は日本に世界に巨大な広がりをみせ、その影響力の大きさは計り知れません。
京大のフィールド研主催の全学共通科目(ポケゼミ、ILASセミナー)にもご貢献いただき、多くの学生たちが畠山氏から地元の気仙沼で「森は海の恋人」の講義と実習の指導を受けました。それら学生たちも、畠山氏の理念を心に成長し社会に巣立っていくことでしょう。長年のご厚情に心より感謝申し上げます。
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