森里海連環学教育ユニット6年間が終了

森里海連環学教育ユニット 連携教授 横山 壽

 フィールド研は,農学研究科,地球環境学堂・学舎,人間・環境学研究科とともに,環境問題に国際的に活躍できる人材育成を目的に,2012年4月,学際融合教育研究推進センターに「森里海連環学教育ユニット」を設立し,京都大学・日本財団共同事業「森里海連環学教育プロジェクト」を始めた。翌年4月に,京都大学の全ての大学院生を対象として,森里海連環学に基づいた「森里海連環学教育プログラム」を開講し,2018年3月末に共同事業としての教育プログラムを終えた。6年間の事業費総額は約6億3400万円であり,このうち日本財団が約6億円を助成した。事業の成果の概要は以下の通りである。

(1) 人材育成
・履修生の受入:298人(9研究科)(2013~2017)
・修了生:208人(8研究科)(2013~2017)
※内訳:農学研究科61,人間・環境学研究科7,地球環境学舎133,経済研究科1,工学研究科3,アジア・アフリカ地域研究研究科1,公共政策大学院1
・修了生の状況(2018.5現在 修了生208人):在学中67人,就職等141人
※内訳:中央省庁18(うち海外6),地方自治体8,大学等教育機関15(うち海外7),日本企業68,海外企業2,国際機関2(うち海外1),その他28
・修了証を京都大学学際融合教育研究センター長名で発行(2016.3~)
・履修生のインターンシップ実施数:129人(38カ国)(2013~2017)
・履修生の国際学会発表数:54人63件(2013~2017)
・英語スキルアップ講座の受講者220人

(2) 森里海連環学の普及
・森里海連環学に関する英語版教科書の出版
・「森里海連環学教育ユニット活動記録」(年1回)出版
・「インターンシップ・国際学会発表成果報告書集(年1回)」出版
・「森里海NEWSLETTER」 の発行(年2回)

(3) 森里海連環学研究の海外展開
・森里海連環学の立地に優れるベトナムでの拠点形成と研究交流の実施

(4) 森里海連環学ネットワークの構築
・インターンシップ研修機関:38カ国,95機関
・森里海シンポ,国際シンポ,地域連携講座,森里海公開講座,NEWSLETTER/活動記録の発行
・森里海連環学国際シンポジウム参加者:19カ国,188人(2013)
・森里海シンポジウム参加者(メーリングリスト登録者数):215人
・学術協力覚書の締結:たねや,国連大学OUIK

(5) 教育プログラムの効果の検証
・2017年10月27~28日に,国内外で活躍する修了生に広く参加を求めて国際ワークショップを開催し,教育プログラムの効果を検証

(6) 同窓会活動による帰属意識の醸成
・帰属意識を高めるため同窓会を設置(2014年3月)
・教育プログラム同窓会会員:208人
・修了イベントなどスタディツアーの実施,フィールド実習のサポート
・NEWSLETTER/活動記録に修了生の動向を掲載

(7) 学部教育への貢献
・第1期事業で開講した,学部生を対象とした全学共通科目の森里海連環学関連科目5科目が,2016年度から総合科学科目群を構成する一科目分野「森里海連環学分野」として認知

年報15号