舞鶴水産実験所50周年記念のシンポジウムと企画展

舞鶴水産実験所 鈴木 啓太

 舞鶴水産実験所50周年を記念し、2022年10月29日に舞鶴市商工観光センターにおいてシンポジウム「京都の海の魅力と不思議」を、10月30日に本実験所において企画展「舞鶴水産実験所の過去・現在・未来」を開催しました。また、これに合わせ、本実験所関係者が編著を分担した記念本『里海フィールド科学―京都の海に学ぶ人と自然の絆』を京都大学学術出版会から出版しました。
 本実験所は、1947年に設置された農学部水産学科にルーツがありますが、同学科の京都市内移転にともない、1972年に発足した農学部附属水産実験所を起点とすると、今年が50周年にあたります。様々な立場の方々に本実験所の活動を理解していただき、また、本実験所の今後の在り方をともに考えていただく機会にするべく、京大ウィークス(京都大学の遠隔施設を一般公開する企画)に組み込むとともに、特にシンポジウムは水産海洋学会との共催により第11回日本海研究集会に位置づけて開催しました。
 シンポジウムでは、演者6名(本実験所教員3名、他大学教員、地元高校教諭、地元漁業者各1名)が、京都の海の特徴、最近の研究成果、標本収集の意義、高大連携教育の実践、6次産業化の取り組みなど、「京都の海の魅力と不思議」にまつわる話題を提供しました。また、休憩時間には地元高校生と本実験所学生が日頃の活動成果をポスター発表しました。最後に、パネリスト3名が本実験所に対する期待を表明し、盛会のうちに閉会しました。
 企画展では、本実験所の沿革を紹介するパネル展示、観測機器の改良史を説明する実物展示、標本庫・教育研究船・飼育施設を案内するガイドツアー、海の生き物と触れ合うタッチプールなど、「舞鶴水産実験所の過去・現在・未来」を実感できる企画を提供しました。コロナ禍が小康状態にあり、天候にも恵まれおかげで、幅広い年代から延べ224名の参加者があり、大変充実した記念イベントになりました。

<新刊紹介>『里海フィールド科学:京都の海に学ぶ人と自然の絆』(京都大学学術出版会)

ニュースレター59号 2023年2月

年報20号 2022年度 主な取り組み