ワイルド&ワイズ事業「持続可能性に向けた森里海の連環」と実習映像の作成

森林育成学分野 教授 德地直子

 本学の推進するワイルド&ワイズ事業への参画は今年度で3 回目です。海外からの留学の促進や本学学生との交流をめざしたものですが、残念ながら昨年度に続きコロナのため、本年度もweb での交流になってしまいました。しかし、これまでのweb での講義や交流のノウハウが蓄積されてきたため、遠隔地施設での実習などを記録して、海外の学生へ提供するとともに、本学での実習の補助にも使えるようなビデオの作成ができるのではないかと新しい挑戦を行いました。そのため、企画情報室・OCW には遠隔地への取材をおねがいし、すばらしいビデオを作成していただきました。それらを基に、ワイルド&ワイズ共学教育受け入れプログラム事業として「持続可能性に向けた森里海の連環」を、2021 年11 月29 日より12 月7 日の間に実施しました。
 本来は、一昨年度の本事業より連携していたミャンマーのイェジン林業環境科学大学とブラジルのサンパウロ州立大学の2 校との交流を行う予定でしたが、2021 年2 月にミャンマーで起こった軍部クーデターにより、事業の実施が困難になりました。9 月に入っても情勢が落ち着かなかったため、今年度はサンパウロ州立大学との交流のみの実施となり、同大学からは13 名が参加しました。
 事前学習として、参加学生に対し、森里海連環学に関する説明や各施設(芦生研究林、北海道研究林、上賀茂試験地、北白川試験地、瀬戸臨海実験所、舞鶴水産実験所)および実習の様子を紹介する映像を視聴してもらいました。11 月29 日から12 月3 日に実施されたコアプログラムでは、森里海連環学に関する紹介や、フィールド科学教育研究センター所属教員によるオンライン講義を実施しました。
 最終日の12 月7 日には、サンパウロ州立大学の学生によるブラジルやサンパウロの自然や大学の紹介が行われました。サンパウロ州立大学の学生は母校の紹介などこちらが留学したくなるような自信にあふれた様子でその魅力を伝えてくれ、学生たちの生き生きした様子にこちらの学生も教員も魅了され、京大への留学を紹介できたとともに、海外への意欲が高まりました。

年報19号 2021年度 主な取り組み