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フィールド

「菌類ワークショップ」開催報告

 菌類多様性研究の促進と若手研究者の育成を目的として、フィールド調査とディスカッションを行うワークショップを10月27-29日に開催しました。ワークショップは、教育関係共同利用拠点「人と自然のつながりを学ぶ森林フィールド」の事業の一環として行いました。

 講師として、橋本陽 (理研BRC)、山本航平 (栃木県立博物館)、升本宙 (信州大学)の3名を迎えました。参加者は、全国の大学・大学院から10名が集まりました。

 フィールドワークでは、講師が研究対象とする菌類を調査・採集する様子を参加者が間近で見学することで、野外での探索や観察のポイントを直接教わりました。その後、屋内に移動し、採集した標本の顕微鏡観察や講師の講義、参加者の研究紹介を行いました。菌類の観察方法や菌類研究の最新トピックの共有に加え、参加者の研究や菌類研究の今後についての熱い議論が展開されました。

 参加者からは、「講師と菌類目線で林内の散策が出来て新たな発見があった」、「菌類を研究する同世代の学生間でたくさんの議論を交わすことができて良かった」という感想をもらいました。

 今回採取された標本の中には、未記載種や日本新産種と考えられるものも含まれます。調査や今後の解析によって、芦生研究林の菌類多様性の解明が進むことが期待されます。今回のワークショップを通じて、参加者自身の研究の発展や、将来の共同研究や新たな研究の方向性などを考えるきっかけになったのではないでしょうか。菌類研究の奥深さや面白さに参加者が触れるきっかけになれば嬉しく思います。

 こうしたフィールド研の研究林・試験地を利用したワークショップは、対象生物やテーマを検討しながら今後も継続的に開催する予定です。今後の開催に関しては、フィールド研や芦生研究林のホームページやSNSで情報発信します。

 
 たくさんのきのこがありましたが、今回の参加者の興味は下の写真のように、きのこらしくない見た目のきのこや地衣類(と地衣類につく菌類)、病原菌などにあったようです。

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イベント フィールド 学生実習

京都光華女子大学「京都大学芦生研究林サイエンスツアー2023」実習報告

2023年8月12日

 上記日程で京都光華女子大学が主催する「京都大学芦生研究林サイエンスツアー2023」が開催され、女子中高校生4名と保護者4名が参加しました。このプログラムは芦生研究林でのフィールドワークを通じて生物多様性や生態系について学び、女子中高校生が将来、理系進路を選択するのを支援することを目的としています。

 参加者は長治谷から上谷を歩き、大規模シカ柵の見学しながら、坂野上講師の解説で芦生の自然とかつて行われていた人の営みと歴史について学びました。この日の芦生での体験が将来進路を決めるのに役に立ったなら、うれしく思います。

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イベント フィールド 未分類

第3回 芦生の森を次世代へ(KDDI株式会社ボランティア)

 2023年7月29日にKDDI株式会社関西総支社長の江口様をはじめとし、グループ会社・関連会社の社員有志とそのご家族の方々が、環境保全活動(ボランティア)のため芦生研究林に来られました。KDDIの「芦生の森を次世代へ」という活動の一環で、今年で3回目になります。今回は林内の植物保全のため、防鹿柵の新規設置を行いました。なお芦生研究林とKDDI株式会社は昨年度に包括連携協定を締結しています。

 当日はまず、講義室にて石原林長が研究林の概要説明を行い、京都大学農学研究科の高柳准教授が防鹿柵設置の解説を行いました。その後、斧蛇館(資料館)を見学してから林内に移動し、新規防鹿柵の設置作業をしていただきました。
 
 防鹿柵の周囲長を150mに設定したため、1班50mずつの3班に分かれて作業を行いました。設置作業は昨年度もボランティアに参加されていた方が、チームリーダーのように活躍してくださり、また今回初めて参加された方も一生懸命に作業をされていました。
 
 非常に暑い中での作業でしたが、無事に作業を終えることができました。ご参加いただきありがとうございました。

昨年度の様子はこちらから
包括連携協定に関する記事はこちらから