笠井 亮秀

参考情報(2015-03-31 までの情報です)

フィールド科学教育研究センター 海洋生態系部門
海洋生物環境学分野 准教授
E-mail:kasai*kais.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
業績など(教育研究活動DB)
Suzuki Keita

1.研究分野

 1) 安定同位体を用いた海洋生態系の解明
  生物を構成する炭素や窒素などの生元素には、同位体が存在します。質量数の違いにより、同位体は生態系の様々な反応で異なる挙動を示します。その挙動はそれぞれの場面で法則に基づいているので、同位体比を測定することで、反応の前後の関係を調べることができます。炭素や窒素の安定同位体比を用いて、水域の生態系や物質のフローについて研究しています。

 2) 沿岸域における海洋環境
  海に生息する生物は、一生のうちのある期間を浮遊して過ごします。特に卵や孵化後まもない仔魚は遊泳能力が小さいため、生息域周辺の流れの影響を強く受けます。これは陸上の生物とは大きく異なる、海洋生物の特徴です。特に死亡率の高い卵稚仔期にどのような環境にさらされるかで、海洋生物のバイオマスが決定されるといっても過言ではありません。生産性の高い沿岸域の物理、化学環境がどのようになっているのか、またそれらが生物に与える影響について、現地での観測と数値シミュレーションを組み合わせて研究しています。

 3) 魚卵稚仔、プランクトンの輸送・生残
  日本の南岸には世界でも有数の強さを誇る黒潮が流れています。日本の近海に生息する多くの浮魚は黒潮の上流で産卵し、卵稚仔が黒潮によって輸送されることで、生息域を広げるという戦略をとっています。どの様な条件の時に生残に有利な生育場に運ばれるのか、また輸送条件が浮魚の資源にどの様な影響を及ぼしているのかについて、数値シミュレーションを用いて研究しています。

2.その他
 大学院生募集中!
 イギリス (University of Wales, Bangor) に留学経験があります。将来留学を考えている方、相談にのれます。実際にフィールドに出て五感を総動員して海や生物を身体で感じ、考えることを、大切にしています。個々の生物、物理・化学現象をそれぞれ別々ではなく、生態系(Ecosystem)として捉え、海洋環境や多様性を守り、改善していくことに興味のある方、ご連絡ください。


(フィールド研における経歴 情報整理 2016-03-31)
2013-04-01/07-31 里域生態系部門 河口域生態学分野 准教授 着任
2013-08-01/2015-03-31 海洋生態系部門 海洋生物環境学分野 准教授 (部門分野名変更)
2015-03-31 辞職 (北海道大学水産科学研究院 教授 へ異動)