2008年9月28日、第5回時計台対話集会 「森里海のつながりを生物多様性から考える」が開催されました。
ごあいさつ
京都大学において、今後の地球環境問題に関する教育と研究を担う3本の柱を構築することが企画され、生態学研究センター・地球環境学堂についで、平成15年4月1日に設置されたのがフィールド科学教育研究センターです。その使命はフィールドに根ざした学問の推進と教育の実践であり、研究の柱として水を中心とした自然と人との繋がりの科学である「森里海連環学」を掲げています。本センターではこれまで毎年、研究成果の社会への還元を目的として、「森里海連環学」をキーワードにした時計台対話集会を開催してきました。例年500名近い市民の皆様に時計台記念ホールにご参集いただき、さまざまな話題についてフィールド研のスタッフと一緒に考えていただいてきました。
本年5月、国会で生物多様性基本法が成立し、これからの循環型社会の構築には、「生物多様性」がすべての人間活動における重要なキーワードとなることが予想されます。そこで第5回の時計台対話集会では、「森里海連環学」を「生物多様性」という観点からあらためて捉え直すため、「生物多様性」に関して非常に多くの活発な研究活動を行っている京都大学生態学研究センターとの共催で開くことにいたしました。
京都大学生態学研究センターは、京大における伝統ある学術潮流の一つである生態学の総合的基礎研究を目指す研究機関として、平成3年に全国共同利用施設として設置されたものです。当時からわき起こってきた地球環境問題や生物多様性問題が、この設立の背景にありました。平成13年4月には、「生物多様性および生態系の機能解明と保全理論」を研究目標として掲げ、全国共同利用施設としての第2期生態学研究センターが発足し、今日に至っています。
今回は、両部局の研究テーマ、すなわちフィールド科学教育研究センターの「森里海連環学」と生態学研究センターの「生物多様性科学」のコラボレーションです。これまでの対話集会とはひと味違う、やや噛みごたえのある構成となっています。今回の集会のテーマ「森里海のつながりを生物多様性から考える」が環境問題に対する理解を深め、ひいてはこれからの社会構築を考える上での重要な視点を提供させていただくことができれば、と期待しております。
京都大学フィールド科学教育研究センター長 白山 義久
京都大学生態学研究センター長 高林 純示
日 時 : 平成20年9月28日(日)13:30~17:00
会 場 : 京都大学百周年時計台記念館
百周年記念ホール
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
共 催 : 京都大学フィールド科学教育研究センター
京都大学生態学研究センター
後 援 : 日本財団、京都府教育委員会
京都市教育委員会
協 賛 : 株式会社 村田製作所、全日本空輸株式会社
NPO法人 エコロジー・カフェ
サイファーアソシエーツ株式会社(順不同)
問い合わせ先:京都大学フィールド科学教育研究センター
TEL.075-753-6414・6420
FAX.075-753-6451
E-mail:johoの後に@kais.kyoto-u.ac.jp を付けて下さい。
参 加 者 : 約280名
- プログラム -
第一部 講演
「原生林も里山も地域の宝」 只木 良也(名古屋大学名誉教授)
「水と砂の流れと生物多様性」 向井 宏 (北海道大学名誉教授)
第二部 パネルディスカッション
コーディネーター 益田 玲爾(京都大学フィールド研)
パネラー 吉岡 崇仁(京都大学フィールド研)
上野 正博(京都大学フィールド研)
椿 宜高(京都大学生態研)
谷内 茂雄(京都大学生態研)
奥田 昇(京都大学生態研)
第三部 会場との対話 司会 天野 礼子(アウトドアライター)
挨拶 尾池 和夫(京都大学総長)
白山 義久(京都大学フィールド科学教育研究センター長)
高林 純示(京都大学生態学研究センター長)
総合司会 柴田 昌三 (京都大学フィールド科学教育研究センター副センター長)
同時開催パネル展:フィールド研・生態研の施設と活動紹介
(開催時間:12:00~、場所:時計台記念館2階 国際交流ホールIにて)
- 対話集会の様子 -
長谷川准教授による報告(ニュースレター15号 2008年11月)はこちら
旧公開ページURI http://fserc.kyoto-u.ac.jp/main/centernews/h20/08news10.html