新人紹介 後藤 龍太郎

基礎海洋生物学分野 助教 後藤 龍太郎

 2017年3月に瀬戸臨海実験所へ着任しました。来た頃は風ばかり吹きすさんで肌寒かったですが、5月になった今ではすっかり暖かくなって初夏のような陽気です。
 私は、京都大学の農学部と人間・環境学研究科に在籍していました。大学院時代は植物と昆虫の送粉共生関係から、海産無脊椎動物同士の共生関係に至るまで異なる種の生物が共に暮らし関わり合う「共生」という生命現象に興味を持ち、加藤真教授のもと、その進化や自然史、生態を研究していました。主な調査地は奄美大島の山林や海辺で、瀬戸内海にもよく行っていました。
 学位取得後は、東京大学大気海洋研究所の底生生物分野で日本学術振興会(学振)の特別研究員として3年、アメリカのミシガン大学進化生態学研究科の自然史博物館で学振の海外特別研究員として2年を過ごしました。大学院までは陸と海の共生系を幅広く研究していましたが、ポスドク時代に海洋生物学の専門性を高め、特に、ウロコガイ科の共生二枚貝類の進化や分類の研究を行いました。貝類の他にも環形動物や腕足動物など海産無脊椎動物の系統分類の研究も開始しました。
 今回、古巣の京都大学に戻ってきました。現在の専門は海産無脊椎動物の系統分類学と寄生・共生の進化生態学です。多様性、自然史、系統分類、種分化、進化、生態、寄生と共生、適応、性的二型などをキーワードとして研究を進めています。瀬戸臨海実験所は海洋生物の高い多様性を誇る太平洋に面しており、磯や干潟などの調査地にすぐアクセスできるほか、水族館も附属しています。環境や立地の良さを活かして、海洋生物の多様性や進化の謎を紐解く研究を展開したいと思っています。

ニュースレター42号 2017年6月