平成23年度 公開実習のお知らせ

(ニューズレター掲載原稿)


来年度にフィールド研が開講を予定している公開実習をご案内いたします。全国全ての大学・大学生を対象とし、受講生には修了証を発行いたします。応募方法等についてはポスター(次ページ)やホームページ等をご覧ください。

1.公開森林実習(上賀茂試験地、芦生研究林)
実施期間:2011年9月5日(月)~7日(水)
対象学生:定員10名;農学・森林科学系の学部レベルの学生(主として2・3回生)
内容:近畿地方中北部における里域から森林にわたる多様な自然や森林景観の特徴について基礎的知識を得ることを目的とし、上賀茂試験地では外国産樹種見本林やマツ属の成長量・二次林の植生変化に関する研究資料や標本データ、芦生研究林では暖温帯林と冷温帯林の移行帯の特徴を示す天然林内の木本植物や草本植物、ツキノワグマやニホンジカの生態や被害状況等の実地観察を行う。

2.森里海連環学実習A(芦生研究林、舞鶴水産実験所)
実施期間:2011年8月8日(月)~12日(金)
対象学生:定員10名;学部生、文系理系を問わない(京大生10名との合同実習)
内容:京都府北部を流れる由良川において、芦生研究林内の源流から丹後海に注ぐ河口までの環境と生態調査を行い、森や都市などの陸域の構造が、河川の水質、動植物の組成と生態にどのように影響しているかを調べる。森林と里域の構造を観察、河川・河口域では水質分析と魚類、水生昆虫、エビ・カニ類、プランクトンなどの生物採集を行い、種類の同定や消化管内容物を観察し、森から海までの環境の変化と生態系のつながりを分析する。

3.春期・秋期公開臨海実習(瀬戸臨海実験所)
実施期間:春期公開臨海実習 春休み期間中、秋期公開臨海実習 夏休み期間中
対象学生:定員10名;学部生、2回生以上
内容:春期公開実習では、海産無脊椎動物の多様性を網羅的に学ぶ。磯生物、刺網混獲物、底生生物の幼生を含むプランクトン、小型底生生物(メイオベントス)の採集と形態の詳細観察、進化系統関係の機能形態学的な考察などを行う。また、藻類の系統分類と進化について学習する。秋期公開実習では、採水・採泥と採集試料の分析、マクロベントス群集の解析、磯観察、海洋生物の初期発生の観察、プランクトンの生体観察などを行う。また、各教員が用意した様々なテーマから学生が一つを選び、先端的な海洋生物の自然史科学を学ぶ。さらに、学生が課題を設定する自由課題研究も行う。

4.海洋生物科学技術論と実習(舞鶴水産実験所)
実施期間:I;2011年8月19日(金)~25日(木)、II;8月25日(木)~31日(水)
対象学生:定員5名;農学・水産学・生物環境学系学部生(京大生との合同実習)
内容:水圏環境学、資源生態学、魚類学、藻類学、微生物学、海洋分子生物学、海洋生化学に関する総合的な海洋フィールド実習です。実習Ⅰでは、舞鶴湾内海洋観測、採水試料の分析と観測データ解析、砕波帯における仔稚魚生態調査、魚類の分類と解剖学実習、磯調査など行う。実習Ⅱでは、微細藻類観察と同定、底生生物(ベントス)生態調査とベントスの生理活性物質の抽出・活性測定、ベントス幼生の形態ならびに分子遺伝学的手法を用いた種同定などを行う。

公開実習参加募集に加えて、他大学の教育科目としての実習利用および他大学生の卒業論文研究、修士論文研究、博士論文研究のための当センター施設利用を募集しています。利用可能な施設、機器、コンテンツ、時期、申し込み方法などについてはホームページをご覧ください。

ニュースレター22号 2011年3月