東北復興学生ボランティア

海域陸域統合管理学研究部門 佐藤 真行


 2011年8月26日から30日までの間、フィールド科学教育研究センターは京都大学の窓口となり、学生21名と教員1名、技術職員2名、事務職員1名を宮城県気仙沼市の西舞根地区に派遣し、東北復興支援ボランティアに従事した。気仙沼は、フィールド研社会連携教授の畠山重篤氏が「森は海の恋人」運動を展開する拠点であることから、京都大学ならびにフィールド研としては、その復旧・復興を切に願う地域である。
 今回のボランティアは、畠山重篤氏と松本紘総長ならびに柴田昌三センター長との懇談に基づき、全学として気仙沼地域の支援を進めることを前提としながら、同時に教育的配慮を加味したものとして計画された。従って、活動内容も、「海の回復は森の回復から」という森里海連環学のコンセプトをなぞるものとし、労働ボランティアだけでなく、地域の復旧に資するような調査を進める研究ボランティアも組織された。
 26日早朝、時計台を出発した一行はバスで一路気仙沼に向かった。15時間近くの長距離移動であったが、無事に宿泊地「ひこばえの森交流センター」に到着した。ここは西舞根地区から直線で20㎞離れた岩手県一関市の室根地区であるが、「森は海の恋人」運動で植樹を実施しているところでもあり、気仙沼における森里海連環の「森」に相当する場所である。
 翌27日は、その「森」における植樹活動から始まった。「ひこばえの森」にて広葉樹約70本を植樹した。午後は舞根湾に移動し、津波により消失した養殖筏を製作するための杉丸太の山出しに従事した。

 28日は、前日に山出しした杉丸太を使って筏づくりに従事。大きさ18m×12mの筏を製作した。午後からは、水山養殖場の対岸にあるカキ研究所の被災家屋の瓦礫を撤去し清掃した。夕方には、満潮を利用して、製作した筏を海に送り出した。この日の夕食後、畠山信氏から震災時の体験と、西舞根における復興活動についての講演をいただき、学生諸氏は真剣に聞き入った。夜遅くまで質疑応答に最後までお付き合いいただいた畠山信氏に心より御礼申し上げます。
 29日、午前は引き続き被災家屋の瓦礫の撤去、午後は牡蠣の種をロープに付ける作業に従事した。実際の作業はこの日で終了であったが、森から海にかけての作業に関わることができ、「森里海連環」に沿った一連の活動が完遂された(なお、2名の技術職員は、3日間とも杉の伐採作業に従事した)。
 30日、東北地区の今後速やかな復興を祈りつつ、帰途についた。前夜は、畠山氏やひこばえの森センターの三浦氏らのご厚意により、地元の肉や魚の食事とともに労をねぎらっていただいた。その他にも現地の方々には暖かな交流をもたせていただいた。そして、夜9時過ぎ、誰一人病気・怪我することなく京大時計台に到着した。

 以上のように第一回ボランティア派遣は終了したが、いうまでもなく東北の復興は終わっていない。今後の支援にあたっては、ボランティア活動もますます充実させていかねばならない。そのために、今回参加した学生たちは、有志で引き続き支援に向けての知恵を出しあっている。共感できる方は、ぜひ協力し合って、出来る限りの支援をしていくことを願う。

ニュースレター25号 2011年12月