2025年 7月 9日(水)、フィールド研会議室およびオンラインにて、人と自然のつながりのセミナーを開催しました。曽我先生が講演される新しい里山里海の勉強会(2025年8月19日(火)、オンライン開催)については、こちらをご覧ください。
(当日の写真)
講演者:曽我 昌史 (東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授)
タイトル:人と自然の「かかわり」が自然共生社会の実現に果たす役割
要旨:私たちは、一人ひとり異なる「かかわり」を自然との間に持っている。たくさん自然とふれあう(ふれあってきた)人もいれば、ほとんどかかわりを持たない人もいる。こうした人と自然とのかかわりは、その学際性の高さからこれまで体系的に研究されることが少なかったが、最近、生態学や心理学、公衆衛生など多くの学術分野で注目されている。実際、自然を体験することは、人の健康やウェルビーイングを高めるだけでなく、自然環境保全に向けた行動変容の促進にも寄与し得ることが明らかになってきた。本講演では、私がこれまで行ってきた人と自然のかかわりに関する一連の研究(人-自然相互作用学)や、この学問体系の中で特に重要な概念(経験の消失、基準推移症候群、バイオフォビアなど)を紹介し、このかかわりが自然共生社会の実現にどのように貢献するのかを議論する。