加賀谷 勝史

参考情報(2020-03-31 までの情報です)

白眉センター 特定助教
フィールド科学教育研究センター(瀬戸臨海実験所) 連携助教
E-mail:kagaya.katsushi.8e*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
業績など(教育研究活動DB)

(2015-04-15 公開)

Kagaya Katushi

1.研究分野
  動物生理学、神経行動・生理学

 (1) 自発性行動の発現・調節の神経機構の研究
 動物行動は、明確な感覚刺激がなくても自発的・内発的に開始します。なぜ、動物は自発的に行動を開始するのか? その機構的側面(からくり、仕組み)を明らかにするため、これまではアメリカザリガニを対象として研究に取り組んできました。そして、ヒトを含む霊長類で過去報告されていたような、自発行動開始に先行する「準備活動」がザリガニにも存在することを発見しました。これは動物に一般的なものなのか(他の動物、とりわけ他の無脊椎動物にも存在するのか)? その機能は何なのか? このような問いに対して、行動遂行中の動物の単一神経活動記録法、神経解剖学的方法、行動学的方法などを用いて研究しています。

 (2) 超高速行動の発現・調節機構と進化の研究
 動物行動は非常に多様です。なぜ、その多様性が生まれるのか? 進化を通して獲得された身体と個体外環境との相互作用から生み出されているというのが一つの考え方です。甲殻類のシャコは大きく分けて二つのグループがあります。一つは硬い殻に包まれた獲物を捕食するときに超高速運動による打撃で殻を割る smasher(打撃型)。もう一つは、柔らかい魚などの獲物を高速運動による刺撃で捉える spearer(刺撃型)。打撃型シャコの方が刺撃型シャコよりも数倍の速度で運動できることが分かっています。超高速運動を可能にする身体機構と神経機構は、個体行動としてどのように統合されているのか? その身体デザインはどのように獲得されたのか? このような問いに対して、比較生理学的方法、認知心理学的方法、進化生物学的方法などを用いて研究しています。

2.好きなもの、趣味
 文房具、水泳

3.その他
 小さな頃から競泳としての水泳をやってきました。1日に2万メートルを超えるトレーニングをしていたこともあります。陸上とは異なる物理環境で速くなるために身体と泳ぎ方を改造しようとしました。競泳の本番で道具は使えませんが、足にフィンを付けて練習することがあります。フィンを付けると、まったく感覚、運動が変わります。このトレーニングは、高速に進むときの感覚や筋力の向上を狙ってやるわけです。もし、脳神経系、あるいは筋肉、あるいはそれ以外の身体を圧倒的に速いオリンピック選手、いや、もっと異なる次元の速い動物と交換できたら…。そのようなことを夢想してきたことが、現在の研究につながっているのかもしれません。


(フィールド研における経歴とページ履歴)
2015-04-01/2020-03-31 白眉センター 特定助教(受入教員 朝倉彰)(瀬戸臨海実験所勤務)
2015-04-01/2020-03-31 海洋生態系部門 基礎海洋生物学分野 連携助教