久米 学

参考情報(2024-03-31 までの情報です)

kume

フィールド科学教育研究センター 海洋生態系部門
海洋生物環境学分野 特定助教

E-mail:kume.manabu.6x*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
業績など(教育研究活動DB)

(2020-05-14 公開)

1.主な研究テーマ

1. ニホンウナギの保全生態学的研究
ニホンウナギの河川での生活史や生態特性は,未だに多くの謎に包まれています。そのため,これらの謎を解き明かし,絶滅の危機に瀕する本種の保全に必要不可欠な基礎情報の提供を目指します。 特に,小規模河川と堰に注目しており,バイオロギングや環境DNAなどの手法も取り入れて研究を進めています。

2. 淡水魚の生活史特性,生態分岐,および生殖的隔離に関する研究
淡水魚における生物多様性の創出・維持機構,特にトゲウオ科魚類イトヨの生態的種分化,を中心に研究しています。しかし,淡水魚は多くの種類が知られていますが,未だに生活史すらわかっていない魚種もたくさんいます。したがって,淡水魚近縁種間の生活史や生態特性の違いを積み上げていき,生態的分岐や生殖的隔離機構について理解を深めるというアプローチをとっています。ただし,現在の種分化研究はメカニズムの解明も進んでいるため,異分野との共同研究を積極的に行っています。

3. 湧水生態系の頑強性と脆弱性に関する研究
2011年3月11日に発生した東日本大震災によって,東北3県(岩手・宮城・福島)の沿岸域は甚大な被害がありました.そのうちの1つ,岩手県上閉伊郡大槌町の沿岸部は,湧水が豊富にあり,普段の人の生活に利用され,また生物多様性に富む湧水生態系を育んでいました。例えば,サケやイトヨは,当地の自然のシンボルとなっていました。しかし,震災によって,湧水生態系は甚大なダメージを負いました。大規模災害は,これまで幾度となく繰り返し発生し,その都度,生態系は回復していますが,どのような影響があり,どのようなプロセスを経て回復するのか,は謎に包まれています。そこで我々は,大槌町の湧水生態系をモデルにその謎の解明を試みています。

4. メコンオオナマズの生態,および行動に関する研究
世界最大の淡水魚の1種であるメコンオオナマズの行動・生態について,野外生息個体と水族館飼育個体を用いて研究しています。また,タイ国での本種の持続的利用が可能になるように,資源管理と保全に資する研究を行いたいと思っています。

2.好きなもの、趣味

 サッカー観戦(柏レイソルを応援).もっぱら見るほう専門です。

3.その他

 主に淡水魚の生態研究をやっています。ただし,興味深いテーマであれば,淡水魚に限らず他の水生生物の研究にも取り組んでいます。詳しくは以下の個人ページを見てください。

個人ページ:https://sites.google.com/view/manabu-kume-web-site/home


(フィールド研における経歴とページ履歴)
2016-07-01/2020-03-31 里域生態系部門 里海生態保全学分野 特定研究員
2020-04-01/30 森里海連環学教育研究ユニット 研究員
2020-05-01 海洋生態系部門 海洋生物環境学分野 特定助教
2024-03-31 退職(石巻専修大学へ転出)