フィールド科学教育研究センター里域生態系部門
河口域生態学分野 助教
(農学研究科応用生物科学専攻 海洋生物増殖学分野)
1.研究分野
1)水産動物の個体群構造
水産動物の資源管理や人工種苗放流による資源増大を図るうえでは,対象種の種内個体群構造を明らかにし再生産の単位を把握することが必要である.ミトコンドリアDNAや核DNAの中立マーカーを用いてスズキ,ヒラメ,ウミガメ類等の個体群構造分析を行っている.
2)魚類仔稚魚の被食実態
魚類の卵・仔魚はきわめて小型であるため捕食者の消化管内から形態的に検出することは難しい.成長して稚魚期になっても,甲殻類など餌をかみ砕くタイプの生物による捕食を定量的に明らかにすることは困難である.そこで,捕食者消化管から被食者DNAを検出することによる魚類仔稚魚の被食実態の解明を試みている.
3)有明海の大陸遺存種,遺存個体群
有明海の特異な生物相の中核である大陸遺存種について,それらと近縁な中国・韓国沿岸種との遺伝的特徴の比較を行い,遺存種形成の過程について考察する.
4)魚類の分子系統
スズキ目スズキ亜目は約70科2900種(現生魚類全種数の1割以上)を含む大きな分類群であるが,特徴的な派生形質を持たないものが多いため科レベルのグルーピングや科間の系統関係などには不明な点がきわめて多い.分類群名になっているスズキ属ですらその所属すべき科は明らかでない.この問題の解明にむけてスズキやアカメなどパーチ型魚類を中心とした分子系統解析を行っている.
2.趣味等
釣り全般(サンプリングと称して出かけていることがしばしばあります)
3.その他
(フィールド研における経歴 情報整理 2016-03-31)
2003-04-01 里域生態系部門 河口域生態学分野 助手 (流動分野)
(農学研究科応用生物科学専攻 海洋生物増殖学分野)
(2007-04から助教に職名変更)
2013-04-01 流動分野の交代により、農学研究科へ異動