白浜水族館にて、時岡隆 生誕100年記念展を開催

2013年6月1日から2014年夏頃まで、白浜水族館において、時岡隆生誕100年記念展を開催しています。
時岡隆生誕100年記念展の詳細は、こちらをご覧下さい。

【白浜水族館館長のご挨拶】

 本年は、2001年に87歳でご逝去された京都大学瀬戸臨海実験所元所長の時岡 隆名誉教授の生誕100周年にあたることから、その業績を紹介する企画展示をつくり、瀬戸実験所附属白浜水族館にて6月1日より、公開を始めました。
 時岡隆先生の研究業績は論文等220本におよぶ大変に膨大なもので、その内容も海洋生物のさまざまな分野のものが含まれますが、特に尾索動物(ホヤのなかま)、毛顎動物(ヤムシのなかま)、有櫛動物(クシクラゲのなかま)、節足動物甲殻類の鰓尾類(ウオジラミのなかま)の世界的権威として知られます。今、時岡先生の論文をひもといてみると、先生がいかに精力的に、また幅広い視野をもってご研究されていたかが、よくわかります。
 また時岡先生は、専門のご研究のかたわら沿岸域の自然保護活動にも貢献されました。先生の在任中の1968年には、田辺湾の奥にある無人島の畠島を国が購入して京都大学の管理下におくことになりました。その結果、その自然を保護することと同時に、研究と教育の場とすることになり、今日にいたるまで活用されています。また白浜町沿岸に海域で初の環境保全特別区域指定を受ける運動を進めるなと、数々の社会的活動の貢献があり、1968年には和歌山県文化賞を授与されています。
 この特別展では、このような時岡教授の偉業をご紹介し、先生の海洋生物学の発展の貢献を紹介するとともに、白浜町を中心とした自然の保護にも情熱をそそがれた先生の足跡を、皆さんにお伝えできると幸いです。

 平成25年6月1日
 京都大学白浜水族館館長
 朝倉 彰