森里海連環学教育ユニット 安佛 かおり
2015年3月2日に、森里海連環学教育ユニット(山下洋ユニット長)と株式会社たねや(山本昌仁社長)は、地域の社会・環境貢献のために、「京都大学森里海連環学教育ユニットと株式会社たねやとの連携に関する覚書」を締結しました。
たねやは、滋賀県近江八幡市を拠点とし、和菓子・洋菓子の製造販売を主な事業としています。自然に学ぶまちづくりをビジョンに掲げ、周辺の竹林の整備など環境づくりにも取り組まれています。近江八幡市周辺の環境やたねやの取り組みは、森里海連環学の実践の場--森(八幡山・安土山)、里(水郷、近江八幡旧市街、伝統行事やものづくり・まちづくりへの人々の参加)、海(西の湖・琵琶湖)--として研究者の関心を集めています。2015年1月にオープンした「ラ・コリーナ近江八幡」は、企業理念を実現する新たな拠点となる予定です。
森里海連環学教育ユニットとたねやとの連携の一環として、2014年7月に行った教育プログラム科目「森里海連環の理論と実践」の現地実習について紹介します。この実習では近江八幡をフィールドにして、2日間にわたり学生14名と教職員が3グループに分かれて、まち歩き、水郷めぐり、竹林整備を行い、拠点としては、2014年4月にたねやのご提供により「ラ・コリーナ近江八幡」内に開設された「京都大学森里海近江八幡分校」を利用しました。翌週に京都大学で開催した実習の報告会では、「近江八幡における森里海連環学の実践について」をテーマに発表を行い、実習で近江八幡の伝統建築保全地区を案内いただいた地元のまちづくり会社やたねやからも参加いただき意見交換を行いました。
今回の覚書により、当ユニットとたねやは、(1)周辺地域の森里海(湖)を対象とした森里海連環学に関する共同研究、(2)森里海連環学教育プログラムの現地実習、(3)たねやの環境づくり・ものづくりの現場でのインターンシップ研修、(4)講演会・シンポジウム、ワークショップなどの実施について、相互に連携協力し、森里海連環学の理念に基づいた地域社会への貢献、を目指します。
ニュースレター36号 2015年6月 社会連携ノート