田中名誉教授が日本水産学会功績賞を受賞

河口域生態学分野 田川正朋


 河口域生態学分野の前教授(現京都大学名誉教授)である田中克先生が、平成19年度日本水産学会春季大会にて、日本水産学会功績賞を受賞された。
 これは田中先生がこれまで約40年にわたって続けてこられた仔稚魚の生態学に関する一連の研究に対して与えられたもので、当フィールド研の中心課題である「森里海連環学」の一つの出発点となった、筑後川河口域の特異な生態系の包括的な研究を含むものである。特に、同フィールドでの調査は約30年という長期間にわたり同一定点群を同一方法で調査するという、地味ではあるが極めて価値の高い長期調査で、いわゆる有明海異変の前後を仔稚魚の生態から比較できる唯一の資料となっている。
 3月29日の授賞式では、東京海洋大学の大講義室が満席となる中、田中先生の受賞の挨拶が有った。現在の研究室員や多くの卒業生、および、多くの研究上の友人からの満場の拍手は、先生の業績に加え、先生の人柄に対して贈られた部分も大きかったのではないだろうか。
 先生はこの3月で京都大学を定年退職されたが、今後もご研究を続けると伺っている。我々、先生の後に続こうとするものにとって、今後も大きな目標であり続けて頂けるものと信じている。

ニュースレター11号 2007年7月

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