実習報告2017「博物館実習(館園実務):舞鶴水産実験所」

舞鶴水産実験所 助教 甲斐 嘉晃
舞鶴水産実験所 特定助教 田城 文人

 舞鶴水産実験所には博物館相当施設である水産生物標本館があり,ここを拠点として12月23日から27日という日程で博物館実習(館園実務)を行った。なお,事前・事後学習は総合博物館の岩崎教授の指導を仰いだ。本実習は,教育関係共同利用拠点事業の公開実習とし,京都大学だけでなく他大学生の受入も行った。昨年度は受講者が少なかったが,今年度は京大生3人と他大学生(筑波大)1人の合計4人で,定員の5人に近い数となった。
 23日に東舞鶴駅に集合し,当日は標本を保管する意義などについての解説や水産生物標本館の見学を行った。翌24日には京都府漁協を訪ね,定置網の選別作業を見学した。そこで水揚げされる魚から標本サンプルを頂き,魚類標本の作成法や展示・解説の方法を学んだ。25日は舞鶴水産実験所とも研究協力体制のある宮津エネルギー研究所(魚っ知館)を訪問し,魚類の展示方法や希少魚類の育種・保全について知識を深めた。26日は天候に恵まれたため,午前中に教育研究船・緑洋丸に乗って舞鶴湾内で海洋生物の桁網を用いて採集し,それぞれの分類群ごとによった標本作製方法を学んだ。午後には,ほかの博物館との標本の貸し借りについて実習し,実際に海外の博物館から届いた標本を使った作業も行った。27日最終日には,標本の配架作業などを行い,また実習全体を通したまとめを行った。
 今年度は前半に天候に恵まれたこともあり,生鮮な生物サンプルを用いた標本作製などが比較的順調に行えた。短期間ではあったが,当初目標としていたフィールドから博物館に至るさまざまな作業を体験することが出来たのではないかと感じている。