教育関係共同利用拠点としての公開実習を開始

沿岸資源管理学分野 上野 正博
里山資源保全学分野 中西 麻美


 芦生研究林と舞鶴水産実験所を拠点とする実習「森里海連環学実習A」は、森林域、里域、農地、都市などの陸域の環境が、由良川の水質、生物多様性、沿岸域の生物環境にどのような影響を与えているかを分析し、川を通した森から海までを生態系の複合ユニットとして、科学的に捉える視点を育成することを目的としている。今年度は教育関係共同利用拠点としての第一回の公開実習であったが、全国の5大学(群馬大、信州大、慶応大、北里大、奈良大)から参加学生がありまずまずのスタートであった。
 実習は本学からの参加学生も含めて13名で8月8日から12日まで行った。今年度は、森林域を流れる源流、農業地帯を流れる犀川、市街地を流れ下水処理場排水が流入する和久川の3ヶ所で調査を行い、流域の土地利用による水質変化と水生動物群集の違いを理解しやすいように配慮した。また、河川横断構造物の影響を見るためにダム湖とその下流でも調査したが、本年度は5月に2度発生した洪水によってダム湖内は流木で覆われ野外調査の困難さを体験する良い機会になった。

ニュースレター25号 2011年12月 教育ノート