令和7(2025)年8月30日に公開講演会「けもの、植物そして私たち 芦生の森から考える自然との共生」を歴彩館にて開催致します。
◆開催趣旨:芦生の森は「植物ヲ學ブモノハ一度ハ京大ノ芦生演習林ヲ見ルベシ」と称されるほど豊かな植物相が残る貴重な森です。しかし1990年代後半より増えたシカによる植物の過採食(いわゆる食害)がみられるようになりました。今年は、2006年に芦生生物相保全プロジェクト(ABCプロジェクト)により芦生研究林に大規模な植生保護柵がつくられ20年目、京都丹波高原国定公園が設立されて10年目となる節目の年です。これまでの植生保護、希少種保全、野生動物管理について振り返り、今後の保全について議論します。
本講演会では、まず、長年にわたりシカの個体数調査や植生保護柵の開発を通じて、生物相の保全に尽力されてきた高柳敦氏(元・京都大学農学研究科准教授)に、芦生の森での取り組みや野生動物管理にかける思いをご講演いただきます。次に、芦生の森における動物と植物の「奇妙な三角関係」を明らかにされてきた福本繁氏(市民研究者)に、そのユニークな視点からご講演いただきます。最後に、野生動物相とその行動を研究している若手研究者の太田果南氏(京都大学農学研究科博士課程)に最新の研究成果をご紹介いただきます。
これらの講演を通じて浮かび上がるのは、私達と自然との関わり方です。どのように自然を守り、私たちはどのように関わっていくべきかについて理解を深め、京都府の生物多様性保全への機運が高まることを期待しています。
◆主催:京都府(自然環境保全課・京都府立植物園)
芦生生物相保全プロジェクト
京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林
◆後援:公益財団法人自然保護助成基金、一般財団法人タキイ財団
◆会場:京都府立京都学・歴彩館 大ホール
〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町1番地29
有料駐車場はありますが、数に限りがありますので、公共交通機関でご来場ください。
◆定員:400名(申込先着順)当日空席がある場合、事前申込なしでもご参加いただけます。
◆日時:令和7年8月30日(土)13:00-16:00
◆参加費:無料
◆申込方法:本講演会につきましては、事前参加申し込み制とさせて頂いております。参加を希望される方は、以下のフォームに情報をご入力・送信して頂きますようお願いします。お連れ様がおられる場合も、1名ずつフォームにご入力ください。申し込み期限は8月27日17時まで。
お申し込みはコチラ https://forms.gle/GKhQDAShSrkzAK8h8
※申し込みフォームをご送信頂いたあと、ご登録のメールアドレスへ確認用の自動応答メールが届きます。もしフォーム送信後、30分が経過してもメールが届かない場合は、迷惑メールフォルダにメールが振り分けられている可能性がありますのでご確認ください。
◆講演情報
司会:阪口翔太(京都大学人間・環境学研究科)
13:00 開会 阪口翔太(京都大学人間・環境学研究科助教)
13:05 挨拶 戸部博(京都府立植物園園長)
13:15 芦生の豊かな森の再生に向けて(仮題) 高柳敦(元京都大学農学研究科准教授)
14:20 タヌキのため糞は森の救世主になり得るか? 福本繁(市民科学者)
15:00 芦生の動物たちはどのように人間活動の影響を受けてきたか? 太田果南(京都大学博士課程)
15:30 これからの生態系・生物多様性保全 石原正恵(京都大学芦生研究林林長)
15:40 全体質疑応答
15:55 閉会挨拶 杉本圭哉(京都府自然環境保全課課長)
16:00 終了
◆問い合わせ先:京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林(0771-77-0321)