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お知らせ

京都大学の広報室の取材がありました

京都大学の広報室の取材がありました。広報誌「紅萠」第48号に芦生研究林の紹介と石原林長のインタビュー記事が掲載されました。

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また、京都大学の公式SNSに芦生研究林の紹介動画を掲載していただきました。

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イベント

「芦生保全植物園」開園式典開催報告

10月21日(火)に「芦生保全植物園」開園式典を開催いたしました。京都大学フィールド科学教育センター芦生研究林は、関係機関と連携し、希少植物の保全に取り組んでいます。この度、植物の保全および教育での活用を目的に、芦生研究林構内に「芦生保全植物園」を開園しました。この植物園は「域外保全エリア」と「植物観察エリア」の2つからなります。

式典は、福本繁 様(芦生生物相保全プロジェクト 市民科学者)、阪口翔太 様(京都大学人間・環境学研究科 助教、現:京都大学農学研究科教授)、野崎香樹 様(武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園 園長)にご来賓いただき、地域を代表して今井崇 様 他6名(南他八ヶ字財産区管理会)、京都府府立植物園 様、芦生もりびと協会様、京都大学フィールド科学教育センター上賀茂試験地や関係協力者様など、合計41名様のご参列をいただきました。

式典は、石原林長による6年におよぶ植物園整備の取組の振り返りと、来賓の皆様方からのご挨拶を頂戴した後、域外保全エリアの見学を行いました。ここでは、本エリアを主導していただいた阪口翔太様より、タイミンガサ、ゼンテイカ、タヌキラン、ヒメシャガ、クルマバハグマという域外保全対象種の林内における危機的状況や現在の保全状況、保全や育成にかかる工夫や苦労、QRコードを用いたDNAデータ管理などをご説明いただきました。

その後、観察エリアに移動し概略と整備の経緯、今後の連携などについて、石原林長が解説しました。その後、今井崇様と石原林長による「ヒメモチ」2株の記念植樹が来席者の見守るなか執り行われました。このヒメモチは、研究林内で採取されたのち、武田薬品工業株式会社京都薬用植物園で栽培され、今回芦生に里帰りした株です。最後に来席者の記念サインが施された種名板をエリア内に点在する該当植物を探しながら全員で設置し、参加者の笑顔とともに式典は終了しました。

芦生研究林の保全は進んでいますが、残念ながら、対象とすべき種は増える一方です。シカの食害だけではなく、地球温暖化などの影響も危惧されます。芦生研究林基金へのご寄付を通じ、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

芦生の植物の保全の取り組みは、科学的成果と多様な主体との協働によって実現しています。こうした協働による取り組みが、生物多様性保全を進めるための好例となればと考えています。日本各地で起こっている生物多様性の喪失に対して一助となれるよう、教育研究機関として引き続き頑張ってまいります。

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研究ハイライト

ニホンマムシは本当に夜行性なのか?―電波発信機で芦生のマムシを追跡する―

京都大学 理学研究科
博士課程 福山 亮部

ニホンマムシは北海道から九州にかけて分布する約50cmの毒ヘビで、森林から田んぼ、人家近くまで幅広い環境に生息しています。一般的に本種は夜行性とされており、日中に活動するのは寒い時期や、体温を上げる必要がある妊娠中のメスなど、例外的な条件の時に限られると考えられてきました。しかし実際にはそれに限らない日中の観察例も多く、咬傷被害も昼夜を問わず起きています。本当にニホンマムシは夜行性なのでしょうか?その疑問を解き明かすため、野外のニホンマムシに電波発信機を取り付け、追跡し、いつどこで何をしているのかを昼夜を問わず確認することにしました。

図1. とぐろを巻いたニホンマムシ(Gloydius blomhoffii

調査地にしたのは芦生研究林の軌道沿いの河川敷と森林です。河川敷は空がひらけており、開放的な一方、森林は木々に覆われ、地表も落ち葉や下層植生で覆われています。調査では9個体のニホンマムシを野外で捕獲し、電波発信機を取り付けたのち、元の場所に逃しました。その後電波を頼りに各個体を追跡し、数ヶ月に渡って記録をとりました。この発信機には温度を測る機能もあり、野外でのマムシの活動体温についても記録をとることができました。

合わせて9個体のニホンマムシについて計295回の記録をとったところ、昼夜共に多くの個体が出現していることがわかりました。出現には昼夜そのものの影響はなく、気温が有意に影響していることがわかりました。ニホンマムシは低温時には石の下や穴の中に隠れており、春や秋は寒い夜間の活動を避け、より暖かい日中の方が高い出現率を示すことが分かりました。一方、夏は気温が上がるため、昼夜どちらでも出現していました。実際に体温を見てみると、隠れている個体は出現している個体に比べ、体温変化が少なく、低温時でも比較的高い体温を維持できることもわかりました。また、調査地に設置した温度ロガーでも、地表部より地中の方が安定した温度変化を示しており、ニホンマムシが地中の穴に隠れることで体温調節をしている可能性が示唆されました。

図2:河川敷の石の下に隠れていたニホンマムシ

図3:月毎の出現率の推移

また、環境によっても出現率が異なり、森林では、河原よりも高い出現率を示しました。森林では落ち葉の色でニホンマムシが目立ちにくいため、捕食者などを避けるために隠れる必要性がなく、より高い出現率を示したと考えられます。

図4:森林の落ち葉の上でとぐろを巻くニホンマムシ

さらに各個体の移動距離や行動範囲についても調べたところ、1年のうち、8、9月に移動距離が長くなることもわかりました。しかしながら行動範囲は比較的狭く、行動圏は平均で1ヘクタール程度の範囲に収まりました。

本研究成果は、これまで主に夜行性だと考えられてきたニホンマムシが、実際には昼夜どちらでも活動する「周日行性」であることを示唆しています。この「周日行性」という概念は近年様々な分類群で報告されており、動物の活動性が古典的に考えられてきた「夜行性」、「昼行性」といった区分にとらわれず、環境や季節に応じて柔軟に変化するものであるという考え方が広まりつつあります。今回の結果は、ニホンマムシの生態を適切に理解するための重要な知見になるだけでなく、動物の活動性に流動性があるという近年のトレンドを補強するものでもあります。

また、ニホンマムシは強い毒を持ち、年間約3,000人の咬傷被害が発生していると推定されています。本種がいつ・どこで・何をしているかという本研究での知見は、マムシ咬傷被害を防止するための重要な基礎情報にもなります。

掲載論文

Fukuyama, R., Mori, A. (2025) Seasonal changes in movement patterns and body exposure frequencies of Mamushis (Gloydius blomhoffii) and their diurnal activity in a mountainous habitat of northeastern Kyoto, Japan. Journal of Herpetology 59(3): 172-178

DOI:https://doi.org/10.1670/23-065

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学生実習

京都大学/龍谷大学「宇宙森林実習」実習報告

2025年10月6~7日に、京都大学と龍谷大学の合同実習「宇宙森林実習」が開催され、京都大学1名、龍谷大学2名の学生が参加しました。

1日目は枡上谷の調査プロットへ行き、毎木調査を体験しました。その日の夜には枡上谷の毎木調査データの解析を行い、森林の炭素蓄積量を推定しました。

2日目は集水域全体を防鹿柵で囲った試験地を見学して、シカによる過食採を通じ、生物間相互作用や、森林生態系の機能の安定性と回復力について学びました。

参加者の多くは森林分野を専門としていませんでしたが、実地で学ぶことで宇宙分野と森林や生態系の関連性を実感してもらえたかと思います。

実習を引率された土井隆雄先生は、世界で初めての木造人工衛星の開発に携わられており、宇宙開発での木材の有用性の話も聞くことができ、木材の新しい可能性を学ばさせていただきました。芦生研究林のホオノキも人工衛星に活用していただくため提供しています。

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学生実習

京都大学「森林利用学実習及び実習法」実習報告

 9月24日~27日の日程で京都大学の実習「森林利用学実習及び実習法」が行われました。この実習は芦⽣研究林において、森林の毎⽊調査、森林の現存量調査、林業に関する知識と技術を習得することを目的として行われており、農学部3回生及び4回生の学生21人が参加しました。

 1日目は南丹市美山町内にて美山町森林組合の伐採現場の見学を行いました。現場で稼働している高性能林業機械の見学や森林組合の職員の方々から現場での体験談や、伐採から市場・工場までの木材流通に関する話など聞くことができました。

 2日目は研究林内の人工林にてコンパス測量を用いた森林調査プロットの設定や毎木調査、樹木位置落としを行いました。この実習の前に北海道研究林で行われた研究林実習Ⅲでコンパス測量や毎木調査の方法を学んできた学生も多く参加しており、フィールドでの作業はスムーズに進んでいました。

 3日目は2日目に設定したプロットにて、職員による立木伐採の見学、チェンソーでの輪切り体験、木材の現存量調査を行いました。学生たちはチェンソーの扱いに少し恐怖を感じながらも、職員指導の下で安全に操作していました。

 最終日は午前中に講義室にて3日間の実習レポートを作成しました。午後からは北桑木材センターに向かい、木材市場に関する説明を受けながら見学しました。

学生たちは、林業現場の⾒学やチェンソー体験などを通して林業作業を学ぶとともに森林の現存量を測定するための基礎的な調査方法や、樹⽊の位置図、頻度分布図の作成などから林分構造についても学ぶ事が出来たのではないでしょうか。

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学生実習

京都大学「ILASセミナー:芦生研究林に棲む動物たちの探索」 実習報告

2025年9月22日から24日の日程で、京都大学の「ILASセミナー:芦生研究林に棲む動物たちの探索」が開催されました。本ILASセミナーは、森林に生息する動物の生態への理解、およびそれらが生息する森林生態系というものに対する理解を深めることを目的として、本年度より新たに開講され、農学部、工学部、医学部から計5名の1回生が参加しました。

森林は生育する植物や地形などによって複雑な構造を有し、それぞれの場所を選好する多種多様な動物が生息する場です。しかしながら、本来ヒトの生活圏から離れて生活する野生動物 (特に哺乳類) はなかなか姿を見ることはできない存在であり、容易にはその行動や生態を観察することができません。本実習では、実際に森に入り、様々な調査、研究ツールを用いることによって、動物の存在を可視化できること、あわせて、動物の生活を支える森林植生についても観察や簡単な調査から学ぶ機会を提供することを目指しています。

 芦生研究林では、哺乳類、鳥類、節足動物といった動物、および植生を対象とした6つの項目を3日間で実施しました。哺乳類は、生け捕り罠 (シャーマントラップ) を使用した野ネズミの捕獲、自動撮影センサーカメラを使用したカメラトラップによる撮影、および林内での足跡や食痕、糞といった痕跡探しによって、節足動物はピットフォールトラップによる捕獲によって、鳥類はバードウォッチングによって、それら森林に生息する種の特定や生活の一端を探索しました。あわせて、簡易的な毎木調査や下層植生の被度調査を経験し、動物の生息地として重要な鍵となる植生の把握を行いました。

 実習を行うにあたっては、対象とする森林棲動物を一人ずつに割り振り、それらについて文献調査を行うという事前課題が出され、1日目の夜にはスライドを用いた発表会を実施しました。それぞれの動物について、分布や生息地、体サイズや食性などの生態、残す痕跡や観察調査方法の例、人間や環境との関わりについての具体的な事例を発表し合い、森林棲動物に関しての理解を深めました。 カメラで撮影されたイガに包まれたクリを採餌するイノシシの様子から「痛くないのか」と想像したり、強烈な匂いを発するタヌキの糞に顔を歪めたり、ピットフォールで捕獲された節足動物の種同定に苦戦したりと、フィールドに入らなければ分からないこと、普段とは異なる経験と学びが得られた実習になったと思います。

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学生実習

京都大学「ILASセミナー :芦生研究林の菌類多様性に触れよう」実習報告

2025年9月22日から24日の日程で、京都大学のILASセミナー「芦生研究林の菌類多様性に触れよう」が開催され、農学部、理学部、工学部、文学部の1回生が計5名参加しました。

菌類は、きのこやかび・酵母として知られる生物グループです。そして、菌類は、我々ヒトを含む、他の生物と密接にかかわりながら生活をしていて、自然界において他の生物には見られないユニークなはたらき(機能)を持つ生物です。この実習では、芦生研究林において、きのこ相調査を通じて、菌類の生き方、森でのはたらき、そして多様性や生態の研究方法について学ぶことを目的としています。

1日目の研究林到着後は、早速林内に入り、ブナ科広葉樹が優占する天然林を歩きながらきのこを採集、観察しました。数日前から一気に気温が下がったことがきのこの発生を刺激したのか、たくさんのきのこを発見することができました。下山後、採集したきのこの同定を行い、きのこの本体である菌糸の生き方についての講義を受けました。

2日目は、天然林に加えて、スギの人工林内でもきのこの採集と観察を行いました。2日間の調査を通じて、森の姿と菌類の多様性の関係について実際に現場を歩きながら学びました。下山後には採集したきのこの同定を行い、前日の成果とあわせて植生ときのこの多様性について成果をまとめました。夜には調査の成果を、同時期に北海道研究林で開催されているILASセミナー「北海道のきのこの多様性と生き方」との合同発表会(オンライン)で発表しました。

3日目は講義と菌類の多様性についてのレポート作成、実習のまとめと意見交換を行い、終了しました。

この実習で学生たちは、たくさんの種類のきのこを野外で観察し、色や形やにおい、さらにきのこと森との関係など、きのこの生態や観察方法を実際に体験しながら学びました。生態系における菌類のはたらきや生育環境について知ることで、我々の暮らしと菌類の繋がりを学ぶことができたと思います。

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学生実習

京都大学「研究林実習Ⅱ」実習報告

9月16日~18日の日程で京都大学「研究林実習Ⅱ」が行われ、京都大学農学部森林科学科の学生10人が参加しました。

 初日は、はじめに伊勢武史准教授による講義が行われました。その後下谷の大カツラ周辺に移動し、顔認証AIを利用して顔の表情から、その時どんな感情だったのか読み取る実験を行うために、それぞれが森の中で自由に活動しながら学生同士で写真を撮影しました。AIが導き出した学生たちの活動中の表情は、驚き、怒り、喜び、悲しみなど様々な感情が検出されていました。ただ、読み取る際に写真の向きを揃えていないと正しく認識されないなど、必ずしもAIが自動で読み取る訳ではなく、少し手を加える必要がありました。

 2日目は、山崎理正准教授による昆虫の多様性に関する実習が行われました。異なる森林、地形間で昆虫の多様性を比較し、樹木の多様性と昆虫の多様性の関係について考察しました。この実習で調査対象となる昆虫はアリで、捕獲には事前に設置していたピットフォールトラップと、ツナ缶を餌として利用したベイトトラップの2パターンで行いました。午前中に16ヵ所、午後からは20ヵ所の計36ヵ所でトラップの回収・設置を行いました。ベイトトラップは設置後90分後にどんなアリが誘引されているか確認し、ムネアカオオアリやアメイロアリなどが見られました。

 3日目は2日目の調査のデータ解析を行いました。ピットフォールでは7種類、ベイトトラップでは4種類のアリが確認できました。地形による種の違いは今回の調査地では確認できないという結果でした。解析後は斧蛇館の見学を行いました。参加した学生からは森の中で爬虫類から昆虫まで様々な生物が観察出来て楽しかったなどの意見がありました。

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学生実習

京都大学「ILASセミナー :京都の文化を支える森林:地域の知恵と生態学的知見」実習報告

2025年9月10日から12日で、京都大学のILASセミナー「京都の文化を支える森林:地域の知恵と生態学的知見」が開催され、総合人間学部・理学部・工学部・農学部・公共政策大学院の学生12名が参加しました。

京都は豊かな森林・水などの自然に支えられ、その資源を利用することによって古より発展を遂げてきました。多くの文明が環境破壊と生態系サービスの劣化によって失われた事実とは対照的に、京都の周辺は現在でも多くの森林や渓流が残り、京都の文化を支えています。

本科目は、京都文化を支えるこれらの自然の利用方法や森林に対する人々の知恵を知り、森林と人間の関係を科学的に捉える研究手法を実習を通して学び、人間社会と森林との新しい関係を考えることを目的としています。

1日目は、かつての里山、現在は都市近郊林である上賀茂試験地で行いました。里山の典型的な樹種やナラ枯れを観察し、炭焼き窯を見学し「新しい里山」としてのイオン環境財団との連携事業を学び、チェーンソー体験を行いました。その後、芦生研究林へ向かい、夜は芦生研究林の概要について講義を行いました。講義後は学生さん同士で交流を深めていました。

2日目は、原生的な森林である芦生研究林で、天然林とそこに生育する樹木などの生き物や大規模シカ柵内外の植生の見学を行いました。午後からは、栃の実の生産量や利用に関する調査を行いました。下山してから、「猟師として野生動物と向き合う」と題して、合同会社田歌舎の藤原誉さんに講演していただきました。夜は、「京都の文化を支えてきた森林−森と人の歴史−」と題して講義を行いました。

3日目は、美山町の茅葺の里、京北町の木材市場「北桑木材センター」を見学しました。その後、北白川試験地へと移動し、北山台杉、間伐材を有効利用した建物を見学しました。その後、フィールド科学教育研究センターの会議室で、振り返りを行いました。

参加した学生さんの感想からは、フィールドでの学びの意義が浮き上がりました。一例を紹介します。

「実習で最も良かった点は、フィールドに出て実際の生態系に触れることで、自分の中に『生物の命が宿る』という感覚を持てたことである。

私たち人間の生命は、決して個人だけで成り立っているのではなく、目に見えない微生物や、実習中に私たちに取りついていた蛭や蜂、さらには害獣とされるシカやイノシシといった多様な生物とつながっている。その感覚を実体験として改めて得られたことが、私にとって大きな学びであった。(中略)

自らの心が動きにくい自然から隔絶された環境では、いくら概念として「生物多様性」を学び研究しても、人の心を動かす言葉は生まれにくい。その結果として、人々は里山や奥山の現状に目を向けることがなくなり、こうした里山や奥山の危機に立ち向かう様子はあまり見られない。 そこには、ヘレン・ケラーが述べた『科学は人類の困難をたくさん解決してきたけれども、最悪のもの―それは人間の無関心―には無力である』という言葉が重なってくる。だからこそ、本セミナーのようにフィールドで学ぶ機会の重要性を改めて強く感じた。」

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学生実習

京都大学「研究林実習Ⅰ」実習報告

8月25日~29日の日程で、京都大学の「研究林実習I」が行われました。この実習は8月25日~8月27日と、8月27日~8月29日の前半・後半の2グループに分かれて行われ、前半グループは38名、後半グループは30名の農学部の学生が参加しました。

前半・後半とも実習内容は同じで、実習1日目は幽仙谷付近から事務所までの区間で樹木識別を行い、2日目は杉尾峠から長治谷までの区間で樹木識別や防鹿柵の見学等を行いました。

樹木識別の実習では、代表的な樹木の腊葉(さくよう)標本作成を通じて、樹木の観察や識別のポイント、検索表の使い方を学びました。標高の違いによる自生樹種の多様性や、鹿の影響による林内植生の変化などを、実際に現場で観察することは、学生たちにとって貴重な学びになったと思います。