大畑亮輔氏が発表ポスターで最優秀賞を受賞

2013年3月6日、静岡県コンベンションアーツセンターで開催された第60回日本生態学会のポスター講演において、大畑亮輔氏(農学研究科博士後期課程・里海生態保全学)の発表ポスターが、最優秀賞を受賞しました。

<動物生活史・繁殖>
【最優秀賞】
「濁りによる海産仔魚3種の成長・生残の向上」
大畑 亮輔・益田 玲爾・山下 洋(フィールド研)

 フィールド研博士課程大学院生(当時)の大畑亮輔氏が、日本生態学会のポスターセッションにおいて、最優秀賞を受賞した。同学会では部門ごとに表彰を行っており、大畑氏のポスターは、動物生活史・繁殖部門の対象者25名中から選ばれた。
 海産仔稚魚を飼育する際、クロレラ等を飼育水に加えて適度の濁りを与えると成長や生残が向上することは、人工種苗生産の現場でよく知られた経験則である。しかし、濁りそのものが成長・生残に有効であることを直接確認した研究はこれまでなかった。本発表の研究で大畑氏は、鉱物由来のカオリンを飼育水に入れることにより、特に初期の成長や生残が向上することを、マダイ、クロダイ、カタクチイワシの3魚種で明瞭に示した。
 なお,本研究に加え、濁りが仔稚魚にとって被食シェルターになることを明らかにした被食実験や、天然海域における濁りに関するフィールド調査での成果をとりまとめて、2013年3月に大畑氏は博士号を取得している。
 大畑氏は今春,京都府農林水産技術センター海洋センターに就職し、花形部門とも言える丹後トリガイの種苗生産を担当する部署に配属となった。フィールド研で学んだ研究姿勢を,現場でも活かして欲しい。

文責:益田玲爾(フィールド研・准教授)