報告「大学の森で学ぼう2013」

ひらめき☆ときめきサイエンス「大学の森で学ぼう2013」

北海道研究林長 舘野隆之輔


 「大学の森で学ぼう2013」は、日本学術振興会の研究成果の社会還元・普及事業「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~」の一環として、小学生(5・6年生)、中学生、高校生を対象として行ったプログラムである。昨年度に引き続き2回目の開催である。開催日は、平成25年8月1日(木)で、参加者は14名(小学生1名、中学生2名、高校生11名)で、標茶町内から7名、町外から7名であった。実施代表者の舘野と実施分担者の北海道研究林職員8名に加えて、京都から森林情報学分野院生1名が実施協力者として、プログラム実施に携わった。また当日は学術振興会から3名、保護者1名、標茶高校(校長・教員)2名の参加があった。
 本プログラムは、大学の研究林を使った自然観察や野外観測体験を通して、森のはたらきや樹木の不思議を学び、科学のおもしろさを感じてもらうことにより、自然と人との関わりについて考えることを目的として行った。開講式では、開講の挨拶に続き、学術振興会委員として参加された白川英樹先生より科研費や研究についての説明があった。開講式に引き続き大学の授業を体験するミニ講義では、「森林のはたらき」について学んだ。野外観測体験では、「森林のはたらき」について野外で観測する方法について、測器を手に取って受講生自らが体験できるように工夫した。また実験体験では、人工酸性雨を土壌に注いでpHがどのように変化するかを調べる実験を行った。最後に受講生一人一人が一日学んだことをみんなの前で紹介する時間を設け、その後「未来博士号」の授与式が行われた。
 子供たちは「森林に様々なはたらきがあることが分かった」、「もっと色々なことを勉強したい」などといった感想を述べており、研究成果の社会還元や地域貢献にも北海道研究林として一役買うことが出来たのではないかと考えている。昨年度よりは大幅に参加人数は増えたが、当初の予定の募集人数よりも少なかった点は反省材料であるが、広報方法やプログラム、スケジュールなどを改善していくなどを今後の課題としたい。

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