ポケゼミ報告2013「瀬戸内に見る森里海連環」

森林情報学分野 講師 中島 皇

  
 メンバーの顔合わせ、本ポケゼミの動機付け(森里海連環学や瀬戸内の予備知識、JR徳山駅までのアクセス方法や課題(徳山試験地で発表する瀬戸内地域に関するレポート)のヒントなど)のセミナーを5月、6月に1回ずつ北部キャンパスで行い、8月5日~8日に徳山試験地で合宿形式ゼミ(3泊4日)を行った。参加者は5名(文2(1)、工1、農2:()は女子数)であった(クラブの試合等と重なって2名キャンセル)。フレッシュな新入生諸君が瀬戸内の恵まれたフィールド(環境:森・里・海)に出て、自ら体験し、自然と人間の関わり方、里の意味を考えることがこのセミナーの目的である。昨年同様、特任教授の向井宏先生にご協力を頂いた。
 集中ゼミは、8/5(月)15:30にJR徳山駅集合で始まった。まず、街から試験地や旧試験地の森を眺めた。TAは昨年も経験のある鈴木君(森林情報学研究室M2)。前日に徳山入りして色々と準備してくれたので安心である。昨年の2日目は外部施設に宿泊したが、時間的な余裕が無くなるので、これまで通りの日程とした。施設の簡単な説明の後、飯炊き班と買い出し班に分かれ、何名かはの街のスーパーへ。刺身や惣菜を手に入れ、炊きたてのご飯で満足できる夕食となった。夜の部は、課題となっている「瀬戸内の人と自然の関わりに関するレポート」の発表会第1部。
 8/6(火)は万葉の森(周南西緑地公園:旧徳山試験地)の見学と大賀ハスの観賞から始まる。末武川の最源流部・烏帽子岳(697m)近くの赤松ヶ平展望台に登り、山上からの展望。何とか国東半島までは見えたか。魚切ノ滝のしぶきやスギやヒノキ林の涼しさを感じながら渓流に沿って下って行く。人の暮らした跡を実感して、緑の鮮やかな水田風景(八代盆地)に到達した。親水公園で朝作った弁当を食べる。午後からは温見ダムへ。ダムは下松市の水道水源池になっており、担当職員の方に説明をお願いしていたが、深夜に「突発的な工事のために対応が無理になった。」とのメールが届いた。人が生活するのに最重要の水である。今回はパンフレットだけをもらって現地を見学した。次に多目的ダムである末武ダムも見て川の流れを分断することの意味を考えた。夕食は自分たちが作ったカレーライス。食後はレポート発表会第2部。昨日の発表も含めて、レポートには様々な問題も含まれており、お互いの発表を聞き、議論することが良い刺激になっている。
 8/7(水)午前中は試験地のヒノキ人工林(ふるさと文化財の森(檜皮))や常緑広葉樹を主体とする天然林を見学し、お昼に花岡八幡宮から末武川下りを再開した。河口部では十分に潮は引いており、向井先生の指導・解説で、暑さもものともせず汽水域の水に触れ、多くの生き物がいることを実感した。大島干潟造成事業地を防波堤の上から眺めて人工干潟について考え、最後に近くの磯で海に入って生物を観察した。15時半頃には切り上げて、数名はバーベキューの食材を買い出しに行き、本隊は先に試験地に帰って準備をした。炭火をおこして、ワイワイと賑やかに沢山食べた。
 8/8(木)はアンケートと感想文を書いて、後片付け。昼前にJR徳山駅で解散となった。フィールドでの集中講義型ポケゼミにはアクシデントやキャンセルが付きものではあるが、今後とも皆さんの協力を得て継続して行きたい。