基礎海洋生物学分野 教授 朝倉 彰・助教 中野 智之
さる8月20日から4泊5日で気仙沼でポケゼミを行ってきました。今回の参加者は5名でしたが、さらに昨年同様のCivic Forceプログラムの学生さん1名、また昨年このポケゼミに参加していた学生さん1名、同様のCivic Forceの学生さん1名を加え、にぎやかに、毎日を過ごしました(Civic Forceは、2013年3月から被害者支援団体として「夢を応援プロジェクト」を行い、東日本大震災で被災した学生たちを奨学金と教育プログラムを通じて支援している)。
今年のトピックはなんといっても、舞根に「森里海研究所」がオープンしたことです。この研究所はNPO法人 森は海の恋人とフィールド研が、日本財団の助成を受けて建設したものです。総床面積約490㎡、1階には作業施設、2階には研究スペースや会議室を備えた研究・教育の拠点です。「森は海の恋人運動」「森里海連環学」の理念のもと、次の世代を担う子どもたちを対象とした各種事業を実施するほか、国内外の研究者・学生が集う施設となることが期待されています。この4月にオープンし、利用者はすでにのべ600名を越えています。
1日目は大震災のあとに出来た海に隣接する湿地の見学。多数の日本固有の水生植物、動物がみられるようになったそうです。2日目は森里海研究所の見学。研究、教育研修などの様々なファシリティーをもつ複合的な施設です。そのあとサバイバル術の火おこし体験、和船の櫓漕ぎ体験、牡蠣養殖場の視察、そして大震災後の地盤沈下の著しい九九鳴浜の見学をしました。3日目は桁網(ドレッジ)による底生生物の採集、九九鳴浜でのシュノーケリングと海洋生物の採集を行い、夜はアナゴ釣り体験をしました。4日目の午前中は岩手県の一関市にある室根山に登り、室根神社の見学、そのあと大船渡線の近くを流れる大川の見学をし、豊かな森がはぐくむ自然を満喫しました。午後は夕べ釣り上げたアナゴとハモをさばく体験、そしてそれを炭火で焼いて賞味しました。5日目は、森は海の恋人運動によってできた森の視察をおこない、できつつある生物多様性の高い美しい森の山を登りました。
気仙沼港周辺は昨年と比べれば、地震と津波からの復興は進みつつありますが、それでも地震から3年たってもまだ更地同然の場所も多く、参加された学生さんは、それを目の当たりにして感じるところも多かったようです。また復興に向けてのNPO法人 森は海の恋人の畠山重篤さんと畠山信さんの行動力に感銘を受けていました。
畠山信さんが、「森は海の恋人」のFacebookに、今回のポケゼミのようすを書いてくださっています。下記ページをごらんくだい。
https://www.facebook.com/moriwauminokoibito
また瀬戸臨海実験所のブログの下記のページにも、今回のようすが出ています。
http://setoblo.blogspot.jp/2014/08/1.html
http://setoblo.blogspot.jp/2014/08/2.html
http://setoblo.blogspot.jp/2014/09/3.html
http://setoblo.blogspot.jp/2014/09/4.html
また今回平行して行われたCivic Force「夢を応援プロジェクト」の様子が下記に出ています。
http://www.civic-force.org/activity/activity-1466.php