第3回 由良川フォーラム

森林環境情報学分野 芝 正己


 森から海へとつながる自然と人との関わりを考える「由良川フォーラム」も3回目を迎えました。 今回は、会場を京都府福知山市に移し、“森と海へのいざない 心と体の癒しを求めて”との副題がつけらました。
 9月2日(日曜日)午後1時から4時30分まで行われたプログラムは、以下の通り。

★ 講演 1 「身近な里山を利用した健康づくり」~森林療法の現状と可能性を考える~
東京農業大学農学部 上原 巌 准教授

講演2 「若狭湾に出現する生物の多様性と季節変化」~海から発信する地産地消~
京都大学フィールド科学教育研究センター 益田 玲爾 准教授

★ 地域からの報告
報告1「福知山千年の森づくり(フォレストパーク構想)」 福知山市長 高日 音彦
報告2 「府民協働森づくり」~京都モデルフォレストの取り組み~
京都府中丹広域振興局

今回、 参加定員の150人に対し、180人もの人が集まって下さったことは、3回目を迎えて、行政関係者や環境保護に取り組む市民の間にこのフォーラムが 根付きつつあることを感じました。

東京農業大学の上原巌先生の講演では、「森林療法」を各地の実例で紹介され、効果を検証されました。また、整った森林保養地が求められているとの指摘があり、それに応えていくには、混交林の整備の他、専門性のあるガイドや窓口、それに何よりもその地元民の健やかさ、等の諸条件が必要だとの意見が述べられました。
森林公園なども、今日、各地でよく目に付きますが、上原先生のご指摘のように、それを活用する「術」を伝える人材の育成やツールの集積地を一緒に作っていかなければという所は、ずいぶんありそうです。作る側と使う側とのギャップを聞いた思いがした講演でした。
 益田先生の講演では、若狭湾などに生息する多様な魚を紹介。しかも、調理法も写真で解説があり、講演も“おやつ”の時間帯とあって、その写真の調理された魚の“姿”に、参加者のお腹が鳴りそうな雰囲気でした。
 「福知山千年の森づくり(フォレストパーク構想)」では福知山市長の壮大な森づくりが述べられました。「府民協働森づくり」では、京都モデルフォレストの概要・進捗状況の説明等がありました。会場に設置されたパネル展示は、16団体の参加がありました。

ニュースレター12号 2007年11月 ニュース

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