2006年4月、山下 洋教授が日本水産学会進歩賞を受賞しました。
フィールド研の舞鶴水産実験所長である山下 洋教授が、このほど平成17年度日本水産学会進歩賞を受賞されました。同賞は、日本水産学会において、優れた業績を上げ、水産学の発展に寄与した研究者に与えられる、大変名誉ある賞です。
受賞内容は、「沿岸性魚介類の初期生態の解明と栽培漁業への応用」です。山下教授は、沿岸に棲息するヒラメやイシガレイ、アワビといった生物の生態を詳細に研究することにより、成育場の環境収容力が栽培漁業を進める上で考慮すべき重要な要素であることを初めて定量的に見いだしました。また稚魚の放流サイズや放流環境、さらには捕食者にどの程度食べられてしまうか、といった問題についても、耳石の微量元素やホルモンの測定、分子遺伝学的手法等、最新の研究手法を取り入れて進めてきました。一方で、沿岸環境にインパクトを与えるという視点から、河川、さらには森林の生態にも着目し、沿岸域の統合的管理という新たな分野を切り開いています。
受賞記念の祝賀会には、山下 洋教授の東北水産研究所在職中の知己に加えて、舞鶴水産実験所にゆかりのある研究者や在学中の院生が集まり、高知市内の某所にて、皿鉢(さわち)料理を肴に大いに盛り上がりました。
(舞鶴水産実験所 助教授 益田 玲爾)