小林和也講師が個体群生態学会奨励賞を受賞

2017(平成29)年10月13日(金)に、九州大学で開催された第33回個体群生態学会において、森林情報学分野の小林和也講師が個体群生態学会奨励賞を受賞しました。

対象となった研究成果は以下の通りです。
“Sex allocation promotes the stable co-occurrence of competitive species”
Kazuya Kobayashi
Scientific Reports 7, Article number: 43966 (2017)
doi:10.1038/srep43966

(参考)京大ウェブページにおける研究成果の紹介

(研究内容の紹介)
 地球上に見られる多種多様な生物がなぜ共存できるのかという問いは、生態学における重要な未解決問題の一つです。今回、私は交尾を巡る競争が生物多様性を維持しているのではないかという、新しい仮説を提唱しました。ある生物種が高密度で生息しているときには、集団の増殖率を下げてでも、交尾成功率を挙げるような競争能力の高い個体が進化します。一方で、低密度のときには交尾を巡って争う必要がないため、集団の増殖率を下げるような個体が減り、結果として集団の増殖率が向上します。このメカニズムを組み込んだシミュレーションを行うと数百種が1万世代にわたって共存できることが分かりました。加えて、シミュレーションで得られた種数と個体数は、野外で観察されるパターンとよく一致したことから、野外の生物集団でも同じような仕組みが働いている可能性があります。

結果については、個体群生態学会のウェブページに掲載されています。