環境DNA分析により102地点で40種の魚の生息を検出

2018年2月28日、中川光特定助教らによる研究論文が米国の科学誌「Freshwater Biology」ウェブページにオンライン公開されました。

Nakagawa, Hikaru; Yamamoto, Satoshi; Sato, Yukuto; Sado, Tetsuya; Minamoto, Toshifumi; Miya, Masaki
Comparing local- and regional-scale estimations of the diversity of stream fish using eDNA metabarcoding and conventional observation methods
(河川魚類の多様性についての各地点及び流域における推定値を環境DNAメタバーコーディングと従来の調査方法を用いて比較する)
Freshwater Biology: (オンライン公開) (2017)

DOI: 10.1111/fwb.13094 (電子ジャーナル閲覧のための認証が必要です)
京都大学学術情報リポジトリ http://hdl.handle.net/2433/230967 (2019-05-01 に公開予定です。 2018-05-15 追記)

 中川らは、琵琶湖周辺の51河川102地点の水サンプルを2014年に10日間で採集し、河川水に含まれる環境DNAから生息魚種の推定しました。その結果を、従来の調査方法から得られた1700地点以上の魚類の分布記録と比較した結果、文献から予想された44種のうちの38種とこれまで報告がなかった2種の合計40種の魚類のDNAが検出されていることがわかりました。このことは、魚類環境DNAメタバーコーディングの技術が、河川の生物多様性モニタリングに有用であることを示しています。

 詳しくは、京都大学ページの研究成果発表「琵琶湖周辺河川の魚が丸わかり -環境DNA分析で40種の魚の生息場所が明らかに- 」、および 解説PDFファイル を参照下さい。
 英語による紹介ページが京都大学ページに公開されました。Environmental DNA in the rivers feeding Lake Biwa を参照下さい。(2018-05-15 追記)