ワイルド&ワイズ共学教育受入れプログラム事業「持続可能性に向けた森里海の連環」

森林育成学分野 德地 直子

 京都大学では、次世代を担うグローバル人材の育成基盤の強化と、受入れ留学生数の増加を目指して、ワイルド&ワイズ共学教育プログラムを実施しています。このプログラムを当センターでは2019年から担当しています。昨年度も「持続可能性に向けた森里海の連環」の活動を行いました。当初はこれまで交流してきたミャンマーのネピドー・イェジン林業大学と、新たな連携先としてブラジル・サンパウロ州立大学の2校を予定していましたが、2021年2月に起こったミャンマー国軍によるクーデターにより、これまで担当していた現地の教員が解雇されたために交流が困難となりました。そのため、交流先をサンパウロ州立大学に絞って行いました。WEBによる交流も利用しやすくなってはいますが、ブラジルは日本との時差が12時間あります。双方に都合がよい時間を確保するのは難しく、大学施設やそこでの活動については録画ビデオにし、事前に学習してもらうこととしました。講義は11月29日から12月7日まで、舘野・益田・後藤・市川の4人の教員により、基礎的な説明を入れた先端の研究が紹介されました。サンパウロ州立大学の学生は環境工学部(6人)、地理学部(4人)の所属で、こちらの教員とは異なる専門分野でしたが、熱心に講義に参加してくれました。講義の最終日には京都大学に来ている留学生が大学の紹介を行い、サンパウロ州立大の学生からもブラジルや大学の紹介がなされて交流を深めました。

ニュースレター57号 2022年6月