京都大学フィールド研の創設20周年記念式典とシンポジウムを開催

実行委員長 益田 玲爾

 2023年11月19日(日)、フィールド科学教育研究センターの創設20周年記念式典とシンポジウムを、時計台記念館の百周年記念ホールおよび国際交流ホールで開催しました。記念式典には、学内外の関係者、一般市民と現構成員ら約250名が出席し、オンラインの中継も約100名の方が視聴しました。
 式典ではまず、朝倉彰センター長が式辞を述べ、湊長博総長と関係部局長からそれぞれ祝辞を、文部科学省の梅原弘史専門教育課長からビデオメッセージによる祝辞をいただきました。
 シンポジウムでは、畠山重篤社会連携教授が「森は海の恋人-人の心に木を植える」と題して基調講演を行いました。長靴姿で登壇した畠山社会連携教授は、フィールド研の発足前夜から現在までを振り返り、気仙沼市舞根湾でのカキ養殖を題材とした教育や植林活動、さらには鉄を利用した温暖化対策の研究提案など最新の話題についても熱く語りました。
 その後、フィールド研と連携している全国の高校11校も参加して、若手中心のポスターセッションを開催しました。各高校からは、森里海連環学、海洋ごみ、放置竹林、環境DNA、水質や生態系調査といった課題についての研究発表がありました。また大学教員や学生による研究ポスターも掲示され、公益財団法人イオン環境財団とともに進める「新しい里山・里海 共創プロジェクト」や、株式会社モンベルとの協働事業「山の健康診断」などの研究成果もあり、高校生の発表とあわせて31件のポスター発表で賑わいました。
 シンポジウムの後半では、初代センター長の田中克名誉教授、第4代センター長の吉岡崇仁名誉教授、現センター長の朝倉彰教授の3名がそれぞれ、「フィールド研の誕生・歩みと未来」と題して講演しました。続いて芦生研究林、北海道研究林、瀬戸臨海実験所、そして舞鶴水産実験所の施設長から、「隔地施設における教育と研究の歩み」として、それぞれの施設での過去20年間の成果についての話題提供がありました。
 夕刻からの祝賀会には、学内外の関係者、栄転あるいは退職されたかつての教職員、そして現在の教職員、学生ら107名が参加し、旧交をあたためるとともに、新たな研究の種を肴に大いに盛り上がりました。
 記念式典とシンポジウムの講演の映像および当日の写真については、フィールド研20周年記念サイトで公開しております。ぜひご覧ください。

ニュースレター62号 2024年 2月