第10回 森里海シンポジウムを開催

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社会連携委員長 市川 光太郎

 京都大学フィールド研と公益財団法人イオン環境財団は、森里海連環学を通じた持続可能社会の創成をめざして、第10回 森里海シンポジウム「身近な自然を見つめなおす 〜ネイチャーポジティブの実現に向けて〜」を2026年3月25日に北部総合教育研究棟益川ホールにおいてハイブリッド形式で開催しました。会場の参加者は午前に136人、午後は145人で、午後のオンライン配信に110人が参加しました。
 午前のプレ企画では、全国17校の高校生70人が里山・里海をテーマとした日頃の研究成果を発表しました。発表内容は、水生生物の生態と保全、環境DNAや流域を通じた生物多様性の調査、資源循環と身近な生物の利活用に関するものなど多岐にわたる熱意あふれるもので、5校に表彰を行いました。
 午後のシンポジウムでは、淺野悟史 地球環境学堂准教授から「「環境ものさし」で測る身近な生態系」をテーマとした基調講演がありました。この講演では地球環境問題による生物多様性の低下と、生物多様性を回復させるためのスローガンが「ネイチャーポジティブ」であるとの説明があり、地域の皆さまが納得して楽しみながら地域の生態系を見守っていける指標として「環境ものさし」を提案されました。続いて、小森優美 株式会社森を織る代表取締役から世界に向けた絹織物文化の発信について、山守瑠奈 助教からジャイアントパンダが食べ残した竹で作った漁礁を利用する多様な海の生物について、八柳哲 特任助教から河川における環境DNA 調査と近縁種群の種多様性について、辻田香織 環境省自然環境局課長補佐から生物多様性の損失に対する社会経済の影響やネイチャーポジティブ経済の実現などについて、それぞれ講演がありました。
 参加者からは「海や川の生態系に対する関心が高まった」、「里山・里海が日常の身近な存在に思えてきた」といった感想が寄せられ、自身の生活と自然とのつながりを見つめ直す機会となりました。高校生には第一線で活躍する若手研究者の講演や他校の生徒との活発な意見交換を通じて、刺激を得る場になったことと思います。後日、本シンポジウムの報告書を発行し、フィールド研ウェブページで公開する予定です。

(開催案内) 森里海シンポジウム「身近な自然を見つめなおす 〜ネイチャーポジティブの実現に向けて〜」(第10回)
(ポスター発表)高校生森里海研究ポスター発表会
(報告書) 第10回森里海シンポジウム報告書 今後更新

ニュースレター69号 2026年06月
年報23号 2025年度 主な取り組み