新人紹介 中野 智之

海洋生物進化形態学分野 中野 智之

Nakano

 4月1日に瀬戸臨海実験所に助教として赴任しました中野智之です。現在は海産巻貝類であるカサガイを研究の対象とし、DNA データを用いた系統分類を主に行っています。しかし、もともとは恐竜に興味があり、学部時代は高知大学で地球科学を学びました。その後、古生物学と分子系統学を融合させた研究がしたいと思い、修士から名古屋大学へ移り、カサガイ類の研究を始めました。博士課程のころから世界中のカサガイ類を取り歩き、様々な国を訪れました。また、学位取得後は、ポスドクとして、ニュージーランドのオタゴ大学で現地のカサガイを研究し、帰国後は国立科学博物館に所属していました。カサガイ類は、単純な笠型の貝類ですが、生息環境に合わせて様々に進化し、さらにはその遺伝情報にいろいろな地球科学的なイベントの情報を刻み込んでいます。そんな奥の深いカサガイ類を研究していて、気づけばもう10年近くが経ちました。しかし、まだまだ分からない事だらけで興味は尽きません。
 瀬戸臨海実験所に赴任したことで、これまでできなかったフィールドに密接に関連した生態データを取ることができるようになりました。今後、これまでの古生物学、分子系統学的手法に合わせて、詳細な生態データを加えることで、さら
なる面白い研究が可能となることを期待しています。

教員紹介ページ 中野 智之

ニュースレター23号 2011年6月 新人紹介