鈴木健太郎氏が発表ポスターで最優秀ポスター賞を受賞

2012年 3月27日、筑波大学で開催された2012年度日本海洋学会春季大会のポスター講演において、鈴木健太郎氏(大学院農学研究科博士後期課程・里海生態保全学)の発表ポスターが、最優秀ポスター賞を受賞しました。

suzuki_kentaro

対象となった発表は、以下の通りです。

由良川河口域における懸濁態有機物の動態- 塩水遡上に伴う炭素安定同位体比の変化 –
鈴木 健太郎・杉本 亮・Md. Younus Mia・上野 正博・山下 洋

講演内容は,夏季の低流量時に顕著な塩水楔が形成される由良川河口域で,塩水遡上と懸濁態有機物(POM)動態の関係を解析したものです.塩水遡上が顕著だった2011年7月には,塩水楔中のPOMはPOC/Chl. a比の結果から主に海産植物プランクトンで構成されていたと考えられます.塩水楔中の植物プランクトンのδ13C は,塩水楔下流域では一般的な海産植物プランクトンの値と同程度だったのに対し,上流域では一般的な値より5~7‰程度低い結果が得られました.これは塩水楔中の塩水の滞留時間が上流域で下流域より長いために,上流域では有機物分解に伴って生じる低いδ13C をもつCO2が溶存態無機炭素中に多く,それが光合成に使われたためと考えられます.