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研究活動

気仙沼市舞根湾における潜水調査2012年9月

唐桑町舞根潜水調査報告書9

2012年9月26日 益田玲爾

 2012年9月24日,気仙沼市唐桑町舞根周辺において,これまでと同様の方法で潜水調査を行った.操船は畠山信さん. 13時28分から16時40分の間に,九々鳴浜沖,舞根湾口部,湾内ガラモ場,湾奥の順で魚類相を記録した後,湾口およびガラモ場においてビデオカメラにより撮影した.天気は曇り〜小雨,水温は表面が22.6〜23.7℃,海底が22.6〜23.4℃と高かった.九々鳴浜では時化の影響で透明度が1m程度の所もあったが,他の地点では3〜8m程度の透明度があり,まずまず良好であった.水温が高いためか魚が多く,すべての地点で,魚類の個体数と種数の一方または両方について,これまでの調査の最高値を更新していた.また,これまで見られた魚種についても,体長が大きく成長している.

湾外斜面九々鳴浜沖
 キヌバリの稚魚が相当に高密度で見られた(写真1).これまでよりも大きなサイズのアイナメ(体長14〜22cm)が多く見られた.このほか,アサヒアナハゼ,ウミタナゴ,リュウグウハゼ,コモンフグなど.

湾口部
 これまで毎回見られている養殖由来と思われるホタテガイは,殻幅16cmにまで成長していた(写真2).イシガニ,キタムラサキウニ,マナマコなど,これまで見られた生物に加え,小さなマボヤが多数着生していた(写真3〜7).一方,二枚貝を捕食するタコヒトデも見られた(写真7).マコンブと見られる多年生の褐藻が長く生長していた(写真8).ウミタナゴの数十個体の群れが見られた.また,アサヒアナハゼ,アイナメ,メバル,ヒメジ,キヌバリ,リュウグウハゼなど,これまで見られた魚に加え,通常は亜熱帯域に生息するミナミギンポやオジサンといった魚も見られた(写真9,10).

湾内ガラモ場
 キツネメバル,メバル,アサヒアナハゼ,ウミタナゴ,メジナ,ガジ,アカオビシマハゼ,キヌバリ,マコガレイ,コモンフグなどが見られた(写真11〜15).全体にこれまでよりも成長している.メバルはこれまで稀であったが,今回はガラモ場だけで9個体を確認した.アサヒアナハゼでは繁殖行動の兆候が認められた.

湾奥
 アイナメ,アサヒアナハゼ,ヒメジ,キヌバリ,スジハゼ(写真16)が見られた.

(本調査は三井物産環境基金および文部科学省東北マリンサイエンス拠点形成事業の支援を受けています)

参考
気仙沼市舞根湾における潜水調査2012年7月
気仙沼市舞根湾における潜水調査2012年5月
気仙沼市舞根湾における潜水調査(2011年5月から2012年1月までの調査報告)
東北地方復興支援学生ボランティア(総合案内ページ)